beacon

福岡が競り勝ち、東京Vの昇格消滅

このエントリーをはてなブックマークに追加
[11.20 J2第35節 福岡3-2東京V レベスタ]

 3位アビスパ福岡がFW高橋泰の劇的なロスタイムFK弾で、5位東京ヴェルディに3-2で勝利した。

 4位千葉も勝利したため残り3試合で勝ち点5差のままと、昇格へ王手をかけることは出来なかった。しかし、5位東京Vとの勝ち点差は10に広げ、1試合消化数の多い東京Vの昇格が消滅。まずは目下のライバルを減らすことに成功した。

 劇的勝利へ導いたのは5クラブを渡り歩き、数々の経験を重ねてきた30歳のストライカーだった。2-2の後半ロスタイム、PA左前で獲得したFKのキッカーを途中出場の高橋が務めた。右足から繰り出されたブレ球は壁の上を抜け、GKの手の上をかすめてゴール左隅へ突き刺さった。直後に試合終了のホイッスル。福岡が昇格を大きく引き寄せた。

 この日はチーム最多の13得点を挙げているMF永里源気を出場停止で欠き、攻撃力の低下が不安視されたが、その影響を全く感じさせず、序盤から主導権を握った。

 前半21分、PA内へドリブル突破を仕掛けたMF中町公祐が倒されPKを獲得。これをMF久藤清一がゴール左隅へ落ち着いて決め、先制に成功した。

 さらに1点リードで迎えた後半5分には、MF岡本英也のロングパスに抜け出たFW城後寿がDFを上手く交わし、追加点を挙げた。2点のリードを奪い、その後も福岡ペースで試合は進むかと思われたが、ここから一気に東京Vが攻めに出る。

 後半12分、中央での連動したパス回しから最後はMF飯尾一慶に左足で強烈なゴールを決められると、その後もMF菊岡拓朗や途中出場のMF高木善朗らに前線をかき回される。わずか3分後には、FW河野広貴の左クロスをFW平本一樹に頭で合わされ失点。まさかの同点に追いつかれた。

 2点のリードをたった3分間で追いつかれ、慌てる福岡。その後も東京Vが波状攻撃を仕掛ける。しかし、勝利の女神は5年ぶりのJ1昇格をめざす福岡に振り向き、後半ロスタイムの高橋の一振りにつながった。

 決勝弾を決めた高橋は試合後のテレビインタビューで「狙い通りのゴール。途中から出場してゴールという結果を出せて良かった」と勝利を喜んだ。福岡は次節にも昇格が決まる可能性が出てきた。次節の岐阜戦に勝利し、4位千葉が草津に引き分け以下だった場合、残り2試合で勝ち点差が7に開くため、悲願が達成される。

(文 片岡涼)

TOP