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マルキの穴埋めなるか。仙台「松下-赤嶺」の“鹿実ホットライン”をテスト

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[4.13 練習試合 湘南2-0仙台 平塚]

 ベガルタ仙台はFWマルキーニョスの退団に伴い、4-4-2から4-5-1へのシステム変更を目指しているが、鍵になるのは“鹿実ホットライン”かもしれない。湘南との練習試合の1本目、1トップに赤嶺真吾、トップ下に松下年宏と鹿児島実業高の同級生コンビがテストされた。

「練習でもやってないですね。初めてです。もう少しシンゴの近くで絡めたら良かったけど、中盤の意識が強くなって、足元足元で行き過ぎた。シンゴはやっぱり、ここで動いて欲しいなという時に動いてくれる。どっしり構えるのではなくて動いてくれる。僕としては出しやすくし、やりやすい」

 松下は今季から加入したため、仙台でのコンビ結成は初めて。練習でも経験はないという。しかし、鹿児島実業高時代はもちろん、昨年途中までは2人ともFC東京でプレーしており、ブランクはないに等しい。事実、1本目の19分、PA右から松下がグラウンダーでDFとGKの間に入れる斜めのクロス。このボールに赤嶺がしっかりと反応し、抜け出してシュートまで行った。ゴールはなかったが、何度か“阿吽の呼吸”が見えた。

「あのタイミングでシンゴも欲しがっていた。僕もあのタイミングかなと思っていた」と松下。赤嶺も「仙台では初めてだった? 悪くはなかった。松下は動き出しを見てくれている。もっと連携を高めていきたい」と手応えを口にした。お互いの距離感や他の2列目の関口訓充や梁勇基との役割分担の問題もあり、まだまだ改善の余地はあるが、期待を感じさせるシーンは確かにあった。

 マルキーニョスが退団し、FW柳沢敦も左膝を手術したため、1トップのレギュラーの最右翼は赤嶺となる。彼をいかに活かしてゴールを取らせるか、それが仙台の飛躍のカギとなる。1トップへの変更について赤嶺は「2トップとは多少動きが違うけど、1トップのときの良さは出せたと思う。どんどん積み重ねていけばうまくいくと思う。みんなと連動してゴールまで持っていければ」と問題なしを強調した。

 仙台には関口や梁勇基という強力な中盤がおり、FWの得点が増えれば、目標のひとケタ順位も夢ではない。赤嶺にかかる期待は大きく、中盤との連携アップが今後の課題となる。もちろん、そこには『松下-赤嶺』のホットラインがどれだけ試合で機能するかも躍進のカギとなる。

 松下は「シンゴの周りを動いて、自分が飛び出したりも、もっとやっていきたい。しゃべりながら回数こなせば良くなると思う。出たらしっかりと点を取りたい、シンゴと2人で」と意気込む。赤嶺も「お互いのいいところが出れば、ゴールも生まれると思う」という。中盤には太田吉彰もおり、関口、梁勇基に続く攻撃的MFの“3枚目”は誰なのか今後の調整で決まってくるが、“鹿実ホットライン”に注目したい。

[写真]松下(左)と赤嶺。鹿実コンビが起爆剤となれるか

(取材・文 近藤安弘)

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