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仙台の無敗記録は12でストップ、開幕戦以来の無得点で清水に敗れ今季初黒星

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[6.26 J1第18節 清水1-0仙台 アウスタ]

 ベガルタ仙台の無敗記録がついにストップした。開幕からの12試合で無敗(6勝6分)の仙台だったが、97年から勝ちがなく、苦手なアウトソーシングスタジアム日本平で清水に0-1で敗れた。東日本大震災後、脅威の粘りで快進撃を続けてきたが、この日は1点が奪えずに開幕戦の広島戦(0-0)以来、12試合ぶりの無得点で試合を終えた。

 終わってみれば相手の6本を倍以上も上回る13本のシュートを放った。しかし、試合後のテレビインタビューで手倉森誠監督が「本当に決め切れればというのは、その通りだと思う」と唇を噛んだように、この日は数多くのチャンスを決め切れなかったことが敗戦につながった。前半18分にはMF松下年宏の右クロスにMF梁勇基が走りこんだが、わずかに合わなかった。同43分には、またも松下のパスから梁が右足ダイレクトでシュートを放ったが、クロスバー上方へ外れた。前半はスコアレスで折り返した。

 後半に入っても果敢に攻め込んだ。後半25分には梁の右クロスにFW赤嶺真吾が頭で合わせたが枠を外れた。そして1点を奪えずに時間が過ぎると、後半36分に痛恨の失点。中盤の松下と梁が左サイドにつられたところから、自陣内の右サイドを崩されて、最後はFWアレックスに決められた。

 それでもこれまで試合終了間際のゴールで多くのドラマを演出してきた仙台イレブンは諦めない。最後の最後まで走りぬき、ゴールを目指した。ロスタイムの表示は4分、途中出場のFW中原貴之や赤嶺を的にロングボールを入れていったがヘディングシュートは枠を捉えることはできず、GK碓井健平の渾身のセーブもあり、0-1のまま試合は終了した。

 過密日程の5連戦の5戦目というのも結果に響いた。これまではブロックをつくり、チャンスとみてはスピードに乗ったカウンターを仕掛けてきたが、さすがに連戦の最終戦ということもあり運動量が落ちた。セカンドボールへの出足が遅れ、なかなか効果的な攻撃につなげられなかった。右SBながら豊富な運動量を武器に果敢な攻撃参加から今季4得点を決めているDF菅井直樹もこの日は攻め上がる回数が少なく、見せ場をつくれずに後半33分に交代したのが象徴的だった。

 今季初の黒星となってしまったが、東日本大震災以降、仙台がサッカーを通じて多くの人々に勇気や希望を与えてきたことは変わらない。手倉森監督も「この5連戦を2勝2分1敗と選手たちはよくやってくれたと思う」と選手たちをねぎらっていた。2位から4位へ順位は下げたが、この敗戦を引きずらないことが大事だ。次戦は1週間空いて7月2日。無敗のホーム・ユアテックスタジアムに昨季王者の名古屋を迎える。

(文 片岡涼)

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