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首位の横浜FM、大黒の2発で大宮に逆転勝ち!

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[7.30 J1第19節 横浜FM2-1大宮 日産ス]

 J1第19節の1日目が30日に各地で行われ、横浜市の日産スタジアムでは首位の横浜F・マリノス大宮アルディージャが対戦した。大宮が前半36分にFWラファエルのゴールで先制したが、後半、横浜FMはFW大黒将志が2得点を決める活躍を見せ、2-1で横浜FMが勝利。これでリーグ戦8戦連続負けなし(7勝1分)とし、首位を守った。あす31日に試合を控える得失点差で2位の柏にプレッシャーをかけた。

 横浜FMは中盤がダイヤモンド型の4-4-2を採用。GKは飯倉大樹、DFラインは右から小林祐三、栗原勇蔵、中澤佑二、金井貢史。ワンボランチは小椋祥平が務め、2列目は右に中村俊輔、左に兵藤慎剛、トップ下に谷口博之が入った。2トップは大黒将志と渡邉千真が組んだ。

 対する大宮はダブルボランチの4-4-2を採用。GKは北野貴之、DFラインは右から杉山新、坪内秀介、金英權、村上和弘。ダブルボランチは青木拓矢と上田康太が組み、2列目は右に東慶悟、左に藤本主税が入った。2トップはラファエルと李天秀が組んだ。

 試合前にから雨が降り出し、ピッチ上は湿気が充満、コンディションは良好とはいかなかった。そんな中、両軍ともに普段ほどボールが収まらず、ボールの奪い合いが展開された。ナビスコ杯がなかった大宮は中6日だったが、横浜FMは中2日での試合と、疲労の影響か出足が鈍い。FWにいい形でボールが入らず、序盤は前から効果的にプレスをかけた大宮がやや主導権を握った。

 そんな中、横浜FMに不運が襲う。小林がプレー中に足を痛めたようで、前半5分にDF天野貴史と交代となった。同6分、横浜FMは渡邉がゴール右、約27m地点で倒されてFKを獲得。これを俊輔が直接狙ったが、GK北野にセーブされた。

 大宮は前半16分、上田がボールを奪ってカウンターを展開。李天秀につながり、最後はPA手前からラファエルがシュートを放ったが、決めきれなかった。同19分には右サイドをうまく崩して、最後はPA内右に進入した杉山が強烈なシュート。しかし、これはサイドネットに当ててしまった。

 横浜FMはトップ下の谷口が持ち味の走力でDFラインの裏へ飛び出すと、攻撃に怖さが出る。その形が徐々に増え、リズムを作り始めた。しかし、大宮が先制に成功した。前半36分、左サイドで村上の折り返しを受けた上田康太が高精度のクロスを入れると、ラファエルがうまく頭を合わせてゴールネットに突き刺した。エースの2試合連続ゴールで1-0リードを奪った。

 横浜FMは前半43分、PA左で縦パスを受けた大黒が右足でシュートを放ったが、相手選手をかすめてしまいCKとなった。横浜FMは中2日という強行日程が響いているのか、迫力のある攻撃が展開できなかった。結局、その後はスコアが動かず、大宮の1-0リードで前半を折り返した。

 後半、ともにメンバー変更なくスタートした。後半は前半と変わり、横浜FMがリズムよく攻める。そして後半8分、同点に追い付いた。左CKの好機で俊輔のキックに大黒が飛び込んで頭を合わせ、叩きつけるシュート。GK北野の股を抜いてゴールインとなった。直前のプレーで大黒はヘディングシュートをGK北野の好セーブに阻まれており、喜びいっぱいの同点弾となった。

 横浜FMは後半13分、渡邉に代えてDFキム・クナンを投入、いつものようにFWに据えた。対する大宮は同18分、東に代えてMF金澤慎を投入。金澤はボランチに入り、青木が右MFに上がった。

 横浜FMは後半はうまくサイドが使えるようになり、攻撃がスムーズとなる。そして、これが実って逆転に成功した。後半20分、中央の俊輔から左サイドを駆け上がった金井貢史へパス。金井がダイレクトで丁寧にクロスを入れると、大黒将志がうまく飛び込んでヘディングシュートを突き刺し、2-1逆転に導いた。

 何とか主導権を奪い返したい大宮。しかし、前線にうまくボールが収まらないため、ゴールへの糸口がつかめない。後半37分、藤本に代えてMF金久保順を、青木に代えてDF渡部大輔を送り出した。金久保は左MF、渡部は右MFに入った。

 今季初の連勝を狙っていた大宮は後半42分、絶好機を迎えた。PA右付近で素早く仕掛け、最後はスルーパスに李天秀が抜け出した。GK飯倉が飛び出してきたため、丁寧に右足で浮かしてシュートを放ったが、不運にもこれは右のサイドネットに。本人も頭を抱え、サポーターからもため息が漏れた。

 横浜FMは後半ロスタイム突入直後、俊輔に代えてDF波戸康広を投入。守りを固めて逃げ切りを狙う。大宮は最期まで諦めずにゴールを狙ったが、試合はそのまま終了。2-1の逆転勝利で、横浜FMはひとまず首位を守った。

(取材・文 近藤安弘)

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