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[全日本女子選手権]川澄2得点1アシスト!!INACが4発快勝で2冠&連覇に王手

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[12.27 全日本女子選手権準決勝 INAC神戸4-1岡山湯郷 国立]

 第33回全日本女子選手権は27日、東京・国立競技場で準決勝を行い、第2試合では前回大会覇者で今季のなでしこリーグを制したINAC神戸レオネッサが岡山湯郷Belleと対戦し、4-1で快勝した。INACはなでしこジャパンのFW川澄奈穂美が2得点1アシストの活躍。来年1月1日に国立競技場で行われる決勝では、アルビレックス新潟レディースと連覇を懸けて対戦する。

 4-3-3のINACは3トップに左から川澄、大野忍高瀬愛実となでしこジャパンの3選手が並び、中盤のアンカーには澤穂希が入った。右SBは近賀ゆかり、左CBは田中明日菜、GKは海堀あゆみと7人の代表選手が先発した。一方、岡山は中盤をダイヤモンド型にした4-4-2で、トップ下に宮間あやが入り、GK福元美穂がゴールを守った。

 立ち上がりからINACが果敢に攻め込んだ。前半2分、中盤のセカンドボールを拾った左SB那須麻衣子が川澄に預けると、DFのマークを受けながらボールをキープした川澄が絶妙なスルーパス。PA内に走り込んだ那須がワンツーの形でリターンを受け、右足でゴール右隅に流し込んだ。

 いきなりの先制点でINACは勢い付く。前半10分、高瀬が自らドリブルで持ち込み、シュート。同13分には近賀からの縦パスを受けたMF南山千明が右サイドから折り返し、川澄がシュートを狙うが、GKに弾かれる。同18分にも川澄のシュートがポストを叩くなど立て続けに決定機をつくった。

 すると前半24分、左サイドから駆け上がった川澄がMFチ・ソヨンとのワンツーでゴール前に突進。持ち前のスピードでDFを振り切り、GKとの1対1から落ち着いて右足で追加点を流し込んだ。

 劣勢の岡山は宮間のセットプレーからチャンスをうかがうが、前半18分の宮間の直接FKは外側のサイドネット。同33分には宮間の左CKにMF中野真奈美がファーサイドで合わせたが、ヘディングシュートはゴール右へ。同44分、再び直接FKを宮間が狙うも、これはGKにキャッチされた。

 INACは前半終了間際の44分、左サイドでボールを持った川澄が中央に流し、大野がPA手前から右足を振り抜く。シュートは高瀬に当たってコースが変わり、GKの逆を突く形でゴールネットを揺らした。公式記録は高瀬の得点となり、3-0とリードを広げて前半を折り返した。

 INACは後半開始からチ・ソヨンに代えてFW米津美和を投入。米津は3トップの左に入り、川澄が中央に移り、大野がチ・ソヨンのいた中盤の攻撃的な位置にポジションを下げた。

 反撃の糸口を見つけたい岡山は何度か相手ゴール前まで迫る場面をつくるが、なかなか決定機にはつなげられない。INACはカウンターから虎視眈々と追加点を狙い、後半17分には川澄が再びスピードで突破し、チャンスメイク。大野からのラストパスを受け、PA内右から右足でシュートを打ったが、GKの好守に阻まれた。

 最後まであきらめない岡山の粘りが実を結んだのは後半22分だった。右サイドからのクロスボールに走り込んだ中野が左足で合わせると、シュートはGKの手をかすめてゴール右隅に吸い込まれた。1点を返し、攻勢を強める岡山は後半33分、FW松岡実希が右足で思い切りよく狙うが、シュートは大きく枠を外れた。

 INACは後半40分、近賀のスルーパスから川澄が抜け出すと、シュートも打てる状況だったが、横に流し、走り込んだ大野がフィニッシュ。これは惜しくもゴール上に外れたが、同45分、左サイドを個人技で突破した川澄がそのままPA内まで切れ込み、DF、GKとかわして無人のゴールに流し込んだ。ダメ押しとなる川澄の2点目で4-1。2年連続の決勝進出を決めたINACが今季公式戦無敗のまま、なでしこリーグとの2冠、そして大会連覇へ王手をかけた。

(取材・文 西山紘平)

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