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松本体制での初黒星にも前向きな栃木MF廣瀬「良い経験になりました」

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[10.16天皇杯3回戦 横浜FM3-1栃木 ニッパ球]

 初めての敗戦も、前向きに捉えた。栃木SCは9月13日に松本育夫監督が就任してから、リーグ戦4戦無敗(3勝1分)だった。しかし、16日に行われた天皇杯3回戦の横浜F・マリノス戦では、FWマルキーニョスにハットトリックを許し、1-3で敗れた。

 大逆転でのJ1昇格プレーオフ進出を目指す栃木は、松本監督就任後の敗戦も前向きに捉えていた。試合後、松本監督は失点の場面については練習や分析で警戒していた形だったと悔しがり原因を具体的に挙げた。その上で「ゲームの内容からすれば、後半は十分にやれるだけの内容だった。日曜日のJ2(東京V戦)につながるゲームはできた」と語った。

 選手たちも、敗戦を前向きに捉えている。高い位置でボールを奪い、前線の外国人トリオを生かした速攻を仕掛けたい栃木だったが、この日の前半はボールの回収に苦しんだ。J2では高いボール奪取力を見せる栃木だが、それを困難にした要因の一つが、MF中村俊輔の存在だ。「やっぱり単純に寄せると、ターンされたり、引き出しを持っている。まずは前を向かせないこと、自由にさせないことを意識しましたが、そういったところに対する周囲のフォローも良かった。1タッチ、2タッチで、簡単に動かしてくる。そこで無理に取りに行くと、裏に出されてやられてしまう。取りに行くタイミングも考えてやらないといけなかった」と、MF廣瀬浩二は振り返った。

 実際に決勝点となった2点目の場面では、中村にマークが集中した結果、彼のスルーしたボールがマルキーニョスに渡って決められている。「分かっていたとしても、あのタイミングでああいうプレーを選択されるのは、相手のレベルの高さ。やられましたね」と、廣瀬は唇を噛んだ。

 それでも、このタイミングで中村俊輔擁する横浜FMと対戦できたことは、大きな意味があると、前向きに捉える。

「中村(俊輔)選手ほどレベルの高い選手は、J2になかなかいないし、良い経験にはなりました。相手にうまく操作されて、受け身になってしまった。そういうところを東京V戦では出さないように、意見を言いながら、聞きながらやっていきたい。(東京V戦でも)相手があのくらいのレベルだと思ってやれば、もっとボールに寄せられると思う。そうすればボールを取れる回数も、上がると思う。今日、マリノスという強敵と試合をやれて、しっかり自分たちが吸収して、残りの6試合で良いパフォーマンスでプレーオフに入って行くためのモチベーションになりました。あとはヴェルディ戦に向けて、準備をするだけです」

 この日、対戦した横浜FMと戦うつもりで、残り6試合を戦い抜くと廣瀬は言う。現在12位の栃木。まずは次節、勝ち点1差で11位の東京Vに勝ち、J1の舞台で横浜FMと再戦する可能性を高めにいく。
(取材・文 河合拓)
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