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横浜FMが終盤の2ゴールで鳥栖に勝利し、21大会ぶり決勝進出!

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[12.29 天皇杯準決勝 横浜FM2-0鳥栖 日産ス]

 天皇杯は29日、準決勝の2試合を行い、日産スタジアムでは横浜F・マリノスサガン鳥栖が対戦した。互いに手堅いサッカーを展開する中で、後半41分に横浜FMがMF兵藤慎剛のゴールで先制する。後半ロスタイムにもMF中村俊輔がダメ押しゴールを決めた横浜FMが、優勝した第72回大会以来21大会ぶりとなる決勝進出を決めている。

 横浜FMは準々決勝の大分戦(延長2-1)でDF小林祐三が警告を受け、累積警告のため出場停止に。右SBにDF奈良輪雄太が起用された。対する鳥栖は準々決勝の川崎F戦(2-0)と同じスターティングイレブンで、クラブ史上初の決勝進出を賭けた一戦に臨んでいる。
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 序盤は鳥栖が主導権を握る。前半5分、中央のFW豊田陽平がドリブルでボールを持ち上がり、左サイドのMF金民友にパス。金民友が左足でゴールを狙ったが、シュートは枠を逸れて行った。同13分にも豊田のポストプレーからボールを回し、MF藤田直之からのスルーパスが豊田に出たが、これはパスが長くなり、GK榎本哲也に抑えられた。

 ボールを保持できなかった横浜FMも、前半18分にようやくシュートシーンをつくる。左サイドのMF齋藤学がドリブルで縦に仕掛ける。これはDFに止められたが、こぼれ球を右サイドに展開、攻撃参加していた奈良輪がボレーでゴールを狙った。ファーポスト際にはFW藤田祥史も詰めていたが、わずかに合わず。ボールはゴールラインを割った。同21分にも横浜FMは、セットプレーの流れから齋藤がループシュートでゴールを狙ったが、ボールは右に切れて行った。

 前半23分にも横浜FMは、中盤でボールを持ったMF兵藤慎剛が左サイドの齋藤に展開。齋藤は縦に持ち込み、ゴール前に密集ができたのを確認すると、PA外でフリーになっていたMF中村俊輔にボールを預ける。中村が左足でゴールを狙ったが、ボールはクロスバーを越えた。

 徐々に横浜FMがボールを持つ時間が長くなるが、1トップの藤田が欲しいタイミングでボールを受けられないこともあり、シュートには至らない。セットプレーから好機をつくりたいところだったが、前半39分の右サイドからのクロスはGK林彰洋にキャッチされる。同45分にも距離のある位置から中村が直接ゴールを狙ったが、シュートは壁に当たった。このまま前半はスコアレスで終了する。

 後半の開始と同時に横浜FMは、DF栗原勇藏を下げてDFファビオを起用する。アクシデントの起きた横浜FMだが、後半の立ち上がりもボールを支配する。後半5分には右サイドからの折り返しを齋藤がPA外で受けてゴールを狙ったが、シュートはクロスバーを越える。同7分にも鳥栖を押し込み、右から兵藤がクロスを入れる。ゴール前で鳥栖のDFが手でボールを扱ったと主張したが、高山啓義主審はファウルを認めずにプレーは続行された。

 後半11分には左サイドからドゥトラが入れたクロスが、PA内の藤田に通る。ボールをコントロールした藤田は左足でシュートしたが、DFにブロックされてチャンスを生かせない。膠着状態が続くなかで、鳥栖は豊田が接触プレーで負傷してしまう。豊田が治療している間に横浜FMはCKを得ると、齋藤がボレーシュートでゴールを狙ったがGK林に枠外へはじき出される。

 後半26分に鳥栖はFW池田圭を下げて、MF水沼宏太をピッチに送り出す。スローインから試合が再開されると、豊田がフリックしたボールに水沼がボレーで合わせたがDFにブロックされて右に逸れる。その直後にも分厚い攻撃を見せ、豊田が左足でシュートしたが、ボールはゴール左へ外れて行った。同30分には鳥栖が左サイドからクロスを入れる。右に流れたボールを水沼が追うと、その動きに対応したドゥトラが転倒。その拍子に水沼と接触し、2人とも倒れたが、この場面でもファウルは認められない。

 水沼投入後、横浜FMを押し込む時間帯の続く鳥栖は、後半33分にも水沼の落したボールをMF早坂良太がミドルシュートで狙ったが、シュートは枠外へ。同35分には横浜FMも中村のCKから藤田が鋭いヘディングシュートを枠に飛ばしたが、ライン上で鳥栖のDFに止められる。鳥栖は37分に金民友を下げて、DF金井貢史を起用した。

 ようやく試合が動いたのは、後半41分だった。左サイドから奈良輪が右サイドにボールを展開。奈良輪が縦に入れたボールを藤田が落とす。これを兵藤が左足で蹴り込み、横浜FMが1点をリードした。

 追う展開になった鳥栖は、DF坂井達弥を下げて、FW岡田翔平をピッチに送り出した。対する横浜FMも齋藤を下げて、MF小椋祥平を起用して守備固めに入る。後半ロスタイム3分、横浜FMはオフサイドとなった藤田がシュートを打ってしまい、遅延行為でイエローカードを受けてしまう。横浜FMは直後に藤田を下げて、FW端戸仁を起用。その直後には、カウンターから中村が狙いすましたシュートを決めて、決勝進出を確定付けた。このまま試合は終了し、横浜FMが21年ぶり8回目となる決勝進出を決めている。

(取材・文 河合拓)
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