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川崎F相手に好セーブ連発!明治大GK加藤大智は元Jリーガーコーチの教えを実践

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明治大のGK加藤大智(4年=名古屋U18)が好守を連発していた

[7.3 天皇杯2回戦 川崎F1-0明治大 等々力]

 明治大は序盤から押し込まれる展開が続いた。川崎フロンターレに浴びたシュートは自軍の倍近い11本。しかし失点はセットプレーの流れから喫したオウンゴールによる1失点のみに防いだ。好セーブを連発したGK加藤大智(4年=名古屋U18)だが、「人生最大のチャンスになると思ってやっていたので悔しい」と振り返った。

 元Jリーガーの助言を頭に入れながらプレーしていた。明治大にはGKコーチとして横浜F・マリノスなどで活躍した榎本達也さんが在籍。普段は平日3日間程、練習に来て指導をしてくれるのだという。対プロ対策として教わったのは「タイミング」。大学サッカーでは経験しないタイミングでシュートが飛んでくると教わっていたことでしっかりと準備できていた。

「(榎本コーチからは)横向きだろうが反転して打ってくるぞ、どこからでもコースを見つけて打ってくるぞ、と言われていた。フロンターレさんはミドルが得意な選手が多いので、コーチの助言が頭にあったことが良い反応に繋がったと思います。でもこれで自分たちが勝って大学サッカーを盛り上げていけば、(各大学に)GKコーチがつくチャンスがあったと思う。そういう意味では大学サッカーの価値を高めることが出来なかったのが、少し悔しいです」

 応援団の声援にも背中を押してもらった。平日夜、小雨の降る中で等々力陸上競技場に詰めかけた観衆は8000人を超えた。明治大のゴール裏は、川崎Fサポーターに負けないくらいの学生らが詰めかけ、選手たちを鼓舞し続けていた。この日までに部員はキャンパスなどでチケットを手売りし、後押しを呼び掛けていたのだ。

「本当に感動しました。試合中にずっと聞いていたので、力になりました。川崎Fのファンも僕たちをリスペクトしてこれだけのお客さんが集まってくれたことは嬉しいです。大学サッカー同士でやったら100人しか入らないんだよという風にならないように、普段から大学サッカーの価値を上げていきたいです」

 普段はこの日はベンチだったGK早川友基(3年=桐蔭学園高)がゴールマウスを守ることも多く、レギュラー争いはし烈だ。卒業後もサッカーを続けたい考えを持つ加藤にとっては、この半年が人生を大きく左右することになる。

「まず大学サッカーをやり切って、それをやり切ったあとにプロに行くか、就職するかが決まると思う。大学サッカーをやり切ったあとに、思い通りの結果が出ればいいなと思います」

 J1を破るという目標の達成はならなかった。一方でユース時代までを過ごした“古巣”の名古屋グランパスは、同じ大学生の鹿屋体育大に敗れるジャイアントキリングを許した。「僕がリベンジするしかないですね」と総理大臣杯やインカレでの対戦を熱望した加藤。残りの大学生活は「サッカー人生で間違いなく一番」というこの日の経験を糧に、全力で突っ走る。

(取材・文 児玉幸洋)
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