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甲府FW宮崎純真の決勝ゴールを導いた助言…“声の主”三平和司が告白「適当に言った」

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オフサイド判定に苦笑いを見せるFW三平和司

[10.5 天皇杯準決勝 甲府1-0鹿島 カシマ]

 前半37分に決まったFW宮崎純真のゴールが決勝点となり、史上初めて天皇杯決勝進出を果たしたヴァンフォーレ甲府。宮崎によると、シュートシーン直前にFW三平和司から「オフサイドないぞ!」と声をかけられたことで、冷静にフィニッシュに持ち込めたという。

 それでも試合後、その言葉を聞いた三平は微妙な表情を浮かべていた。宮崎は鹿島の最終ラインから一歩引いた位置から飛び出しており、「あのタイミングならないと思っていた」とオンサイドの確信はあったというが、肝心の助言自体は「適当に言ったんですけど……」と三平。「あいつが冷静にできただけです」と謙遜していた。

 三平にとってはそれより、その前に突きつけられた自身のオフサイドに悔いが残っていたようだ。前半20分、三平は深い位置から引いてくる動きでMF長谷川元希の縦パスを呼び込み、素早いモーションでゴールネットを揺らしたが、身体がわずかにラインを出ていたとして得点は認められなかった。

 立ち上がりから劣勢が続いていた中、鹿島に心理的ダメージを与えるワンシーンとなったが、「僕的にはすごい良くタイミングで入れ替わったかなと思ったので逆にダメージ食らいました」と苦笑い。「感覚的にはトラップした時に三竿くんがスライディングしてきたから『慌ててるな……』という感じで、(オフサイドは)ないんだなという感覚だった。あの間のところでで勝負するのが僕の特長なので悔しいけど仕方ない」と受け止めた。

 もっとも、前半から献身的なプレーでボールを収め、後半28分の途中交代までチームの攻撃を牽引していたのは紛れもない事実。この日のパフォーマンスには「点を取れなかったのでちょっと悔しい」と話したが、16日の決勝戦に向けては「僕が点を取れなくてもチームが勝てばいい。良いゲームができれば全然問題ない」と力を込めた。

(取材・文 竹内達也)
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