beacon

「外れてもシュートで終わったほうが…」高嶺朋樹が後半ATに柏移籍後初ゴール

このエントリーをはてなブックマークに追加

柏の4点目を挙げた高嶺朋樹

[10.8 天皇杯準決勝 熊本 0-4 柏 三協F柏]

 天皇杯準決勝を大勝で飾った柏レイソル。ゴールラッシュを締めくくったのは、今季北海道コンサドーレ札幌から加入したMFだった。

 後半アディショナルタイム4分、柏は左CKを獲得する。FWテウス・サヴィオがニアサイドを狙ったボールは、ロアッソ熊本のGK田代琉我のパンチングにあってしまう。こぼれ球に反応したMF高嶺朋樹は、ペナルティエリアライン上で、ハーフボレーでとらえる。

「武藤(雄樹)さんが見えてパスしようか迷ったんですけど、もう終盤でしたし、外れてもシュートで終わったほうがいいと思った」と判断した高嶺の左足から放たれたシュートは、GKから逃げるように回転しながらゴールに突き刺さった。

 予兆はあった。後半19分、DFジエゴのスローインをペナルティエリア外で受けると、左足を振り抜くも、ボールはゴールポスト右にわずかに外れてしまう。さらに同34分、MF仙頭啓矢のパスを受けて左足を一閃。低い弾道の鋭いシュートが熊本ゴールに向かったが、またもゴールポストの右にそれてしまっていた。この日、高嶺が記録した3本目のシュートが、うれしい移籍後初ゴールとなった。

 加入1年目ながら、リーグ戦では出場停止の1試合を除く全試合に出場している高嶺。前任のネルシーニョ監督時代は途中出場となった試合もあったが、5月に後を受けた井原正巳監督体制下ではすべてに先発出場をしている。柏が調子を上げている8月以降では、高嶺とMF椎橋慧也がダブルボランチの先発となっている。

 熊本のトップ下を務めるMF平川怜は、ラウンド16・FC東京戦、準々決勝・神戸戦と2試合連続得点中。「攻撃の起点になるのはわかっていた」(椎橋)存在の平川に、高嶺と椎橋のダブルボランチが立ちはだかった。

「攻撃の起点になるのはわかっていたので。僕と朋樹のところで、絶対的にいいパスさせないように、前を向かせないように注意しようという話をしていた」と椎橋。23歳の司令塔に決定的な仕事をさせなかった。

 来る12月9日、「プロになってから初めての舞台」だという決勝戦に向けて、高嶺は「リーグ戦で残留を決めてからですけど」と兜の緒を締めた。

(取材・文 奥山典幸)
★日程や順位表、得点ランキングをチェック!!
●2023シーズンJリーグ特集ページ
●第103回天皇杯特集ページ
奥山典幸
Text by 奥山典幸

TOP