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「現地でイラン戦を見て、自分たちも悔しかった」e日本代表がイランにリベンジ!eアジア杯で4強入り

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e日本代表がイランに“リベンジ”

 e日本代表がイランにリベンジした。アジアカップ史上初の開催となったAFC公式のeスポーツイベント「AFC eアジアカップ2023」は4日、カタールで大会3日目を行い、Leva、SATAKE、Axの3選手で構成されるe日本代表は準々決勝でイラン代表と対戦し、通算2勝1敗で準決勝進出を決めた。明日5日に行われる準決勝ではサウジアラビアと対戦する。

 競技タイトルに「eFootball」シリーズを採用し、2on2形式で争うeアジアカップ。日本はグループDでベトナムと1勝1敗、インドネシアと1勝1敗の2位でグループリーグを突破。先に2勝したほうが勝ちとなるBO3方式で争われる決勝トーナメントの1回戦ではバーレーンを2連勝で下し、準々決勝でイランと対戦した。

準々決勝でイランと対戦した

 第1戦は前半12分にCKで失点すると、同32分のMF中村敬斗のシュートがポストに当たるなど、その後の反撃も及ばず、0-1で敗戦。第2戦も0-0の拮抗した展開が続いたが、後半31分、FKからFW上田綺世が頭で落としたボールを途中出場のFW浅野拓磨が押し込み、決勝点を奪った。

 1勝1敗のタイでもつれ込んだ第3戦も0-0のままお互いに決め手を欠き、延長戦を含めた120分間でも決着が付かず、PK戦に突入した。後攻の日本は1人目のAxが操作するMF久保建英のキックが止められたが、イラン2人目のキックをLevaが操作するGK前川黛也がストップ。イラン3人目のキックも今度はAxが止め、PK4-3で競り勝った。

 Levaは「昨日、現地でイラン戦を見て、自分たちも悔しかった」と明かす。前日3日にはドーハのエデュケーション・シティ・スタジアムで行われたアジアカップ準々決勝の日本対イランを観戦。日本代表が土壇場のPKで1-2の逆転負けを喫する試合を目の前で見て、「明日、イランと当たることは分かっていた。絶対に勝つんだという強い気持ちが最後のPK戦につながったと思う」と胸を張った。

 この日の試合では1トップに置いた上田をめがけたロングボールを多用。上田が競り勝って攻撃につながるシーンも多く、こぼれ球を中盤の選手が拾って2次攻撃につなげるなど、割り切った戦術を取った。きっかけはグループリーグ第2節のインドネシア戦だったという。

「インドネシアとの1戦目に1-5で負けて、今までどおりやってもうまくいかない。割り切って勝つことが大事だと思った。そこから上田綺世中心に攻める戦術に切り替えて上手くいっている」(Leva)。オフライン環境での試合とはいえ、配信していることもあり、試合と練習ではまったく環境が異なる。そのため練習よりも「相手の試合の動画を見て、戦術面を確認、理解して試合に臨んだ」(Ax)と、ほぼぶっつけ本番で結果に結び付けた。

 3試合を通して、お互いにセットプレーからの1得点のみという接戦が続いたが、Levaは「守備はやられる感覚がなくて、2人で声をかけて守備ができていた」と手応えを感じていた。「攻撃もあと少しのシーンがあった。1試合目が終わってSATAKEからも『思い切り』という声をかけてもらって、思い切ってやろうと思った」。スタンドから試合を見守っていたSATAKEは「一番俯瞰して見れている。2人はどうしても能力が高いからチャレンジのプレーが増えるので、勝つためのプレーをしようという話をした」とアドバイスを送っていた。

PK戦で勝利しグータッチ

 第3戦のPK戦。1人目のキックをAxが失敗すると、「決めろよと思ったけど」と笑ったLevaがすぐさま相手の2人目を止めたことで、「切り替えることができた」(Ax)。そのLevaのPKストップだが、「僕は右に飛んだけど、(GKの)前川選手が足を残してくれて、本当に感謝です」とLeva。操作では横に入力していたが、相手が中央に蹴ったキックを残り足で止めるビッグセーブだった。

 明日5日の大会最終日。準決勝第2試合でサウジアラビアと対戦する日本だが、逆ブロックではインドネシアとタイが対戦する。「初めてのeアジアカップ。金メダルが絶対だと思っている」と意気込むAxは「まずサウジアラビア戦の対策をして、戦術面を確認したい。それにインドネシアも残っている。(グループリーグの)1戦目に大敗しているので、リベンジしたい」と力強く誓った。

左からSATAKE、Leva、Ax

(取材・文 西山紘平)

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西山紘平
Text by 西山紘平

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