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[Fリーグ]3連勝の府中 FP完山「次の名古屋戦で、どれだけ通用するか」

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[10.8 F第16節 府中 6-2 浜松 町田]

 会心の3連勝だった。府中アスレティックFCのFP完山徹一は、最下位のアグレミーナ浜松戦を迎えるにあたり、モチベーションを維持することが難しかったと明かす。「監督は引き締めの言葉を掛け続けてくれていましたが、選手としては、どうしても次を見てしまう状態でした。それが今日のゲームでも、変な焦りを生んでしまいましたね」と振り返る。無理もないだろう。現在3位の府中は、次節に首位の名古屋戦を控えている。今シーズン、まだリーグ戦で1勝しか挙げていない浜松戦では、いかに消耗を抑えながら、確実に勝ち点3を積み重ねることができるかが、ひとつのテーマだった。

 試合の序盤はアップ中に腰を痛めたGK山本浩正の代わりに先発したGK石原健太の好守に阻まれ、なかなか得点できなかった。だからこそ、前半4分にFP星龍太が先制点を挙げたときは、安堵したと完山は振り返る。「先制点は本当にデカかったですね。もっと時間がかかるかなと思っていましたし、あれが早い時間で、ファーストセットのうちに取れたのが、すごく大きかったですね」。

 もう1点、6-2という大勝につながった要因になったゴールがあるという。「後半、最初のゴールもすごく大きな意味がありました。前回対戦のときに、3-0から3-3にされて、すごく厳しい試合になったんです。『3-0、怖いね』『次の1点大事だな』と話していたのですが、すぐに点を取れたのが大きかったです」。

 第1クールの対戦で苦戦した記憶が、府中の集中を高めていた。そして、FP山田ラファエル・ユウゴの強烈なFKが決まった瞬間、府中の選手たちは勝利を確信できたという。同7分にFP蓮池紳吾に1点を返されても、この日の府中には、自分たちの雰囲気に持って行く力があった。「4-1にされて少しバタバタしましたが、(小山)剛史が、すごい綺麗なループシュートを決めてくれた。あれでイヤな雰囲気はなくなって、ラクに試合を運べました」。そう小山のゴールを称賛した完山だが、自身も同じくらい美しいループシュートを後半17分に決めている。

「あれは剛史のシュートを受けてループで打ったのではなく、流れの中での判断でループシュートにしました。リードしていて自分の中にも余裕がありましたし、状況的にも余裕があったので。たまたまです」と、笑顔で謙遜した。

 勝ち点3を重ねた府中は、理想的な状態で次節の名古屋戦を迎えることができる。「チームとしても、僕たちのファーストセットが引っ張っていくという流れができてきています。それが次の名古屋戦で、どれだけ通用するか」。相手を警戒する完山だが、3位に浮上したことで自信も深めている。「相手のファーストセットも強いですが、ゲームが壊れることはないと思います。最悪でも勝ち点1を持ち帰ることができれば『3位以内に行ける』という自信も強くなると思う。名古屋戦が終われば中断期間に入るというのも、僕たちにはプラスになります。次を考えなくていいのでね。全力でぶつかってきます」と、完山は名古屋との大一番に一戦必勝の気持ちで臨むことを、力強く宣言した。

(取材・文 河合拓)

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