beacon

[Fリーグ]残り16秒の小倉の劇弾で、浦安が府中を振り切る

このエントリーをはてなブックマークに追加
[6.15 Fリーグ第1節 府中2-3浦安 代々木]

 Fリーグは15日、7シーズン目の開幕を迎え、第3試合では府中アスレティックFCバルドラール浦安が対戦した。前半7分にFP平山保彦のゴールで先制した浦安は、後半2分にもFP稲葉洸太郎が追加点を挙げる。しかし、府中も譲らない。後半11分にFP上福元俊哉が1点を返すと、1分も経たないうちにFP三井健が同点ゴールを叩き込んだ。追いつかれた浦安は終盤にパワープレーに出ると、残り16秒でFP小倉勇がシュートを決めて3-2とリードした。これが決勝点になり、浦安が開幕戦で勝利を挙げている。

 マン・オブ・ザ・マッチにはFP完山徹一が選出された。「2-0で勝っていたのですが、追いつかれて。パワープレーで逆転するのは、興奮する展開だったと思います」と、完山は勝利に安堵の表情を見せた。「本当に開幕戦は特別で、難しい試合が多いですが、その中で引き分けるのと、勝つのでは雲泥の差があるので良かったです」と振り返り、「古巣であることは意識しませんでした。浦安を優勝に導くことだけを考えています。やり難い相手ですが、勝てて良かったです。今日は何もしてないのでMVPは複雑ですが、会場に大切な人を呼んでいたので、良かったです」と、勝利を喜んだ。

 昨季まで府中に所属していた完山にとっては、いきなりの古巣との顔合わせとなった。浦安のセカンドセットでピッチに立った完山は、前半7分に右サイドから縦パスを入れる。これを受けた平山がゴールに突き刺し、浦安が先制した。同13分には自陣から烏丸がループシュートでゴールを狙ったが、これはGK柿原聡一朗に防がれる。これで得たCKから完山が右足のボレーシュートを放ったが、枠を左に逸れて行った。同12分にも浦安は右サイドを岩本が突破し、ゴール前に折り返す。これにFP鳥丸太作が詰めたが、GK柿原に弾かれた。

 一方、ロングシュートでゴールを狙いに行く回数の多かった府中。前半18分にはFP山田ラファエル・ユウゴが縦に入れたボールをFPロドリゴがPA内で受けてシュート。しかし、これはGK藤原潤にブロックされ、同点に追い付くことはできなかった。

 後半開始2分、浦安は府中の最終ラインで起きたミスを逃さない。ボールを回収した稲葉が、速攻から冷静にシュートを決めて、リードを2点に広げた。府中もロドリゴ、山田ラファエル・ユウゴらが、遠目からのシュートで浦安ゴールに迫る。後半11分には府中が右サイドからのキックインの流れで、FP田村研人が折り返したボールを上福本がゴールに流しこみ、1点差に詰め寄った。

 このゴールで勢いづいた府中は、その直後にもピヴォ当てのボールを受けた三井が、反転してシュート。これがゴールに決まり、試合は振り出しに戻った。後半14分にはロドリゴの縦パスがFP小山剛史に入ると、小山はループシュートでゴールを狙う。ボールはGK藤原の頭上を越えたが、その背後に戻った完山が冷静にボールをコントロールして、逆転は許さなかった。同15分にも左から山田がシュート性のボールをファーポストの前にいた小山に合わせたが、シュートを枠に飛ばせなかった。

 時間の経過とともに、浦安は両サイドからFP岩本昌樹が積極的に仕掛けて、府中の守備を崩しにかかる。さらに残り1分17秒から、浦安は田中をGKにしてパワープレーを仕掛ける。これが奏功した。残り16秒、稲葉が左サイドからグラウンダーの早いボールをゴール前に入れる。これを小倉がゴールに流し込み、再びリードした。このゴールが決勝点となり浦安が3-2で勝利、勝ち点3を獲得している。

(取材・文 河合拓)

TOP