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[PUMA杯2014]MOM キャリア初4ゴールの北海道FP鈴木「代々木は相性が良い」

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[3.15 PUMA杯2014準々決勝 町田1-9北海道 代々木]

 敵将も、脱帽するほかなかった。「今日の北海道の決定力は、素晴らしかった。イゴールは、ああいうゴールを決められることが少ない。あれを決められたら、仕方がないというゴールが多かった」と、ペスカドーラ町田の関野淳太監督は、敗因にエスポラーダ北海道のシュート精度をあげた。

 この試合、大量9得点を挙げた北海道だが、その中でも光ったのが、4ゴールを挙げたFP鈴木裕太郎だろう。特に後半4分に決めた最初のゴールは、まさにゴラッソだった。右サイドでFP大地悟を股抜きし、やや距離のある位置から思いきり良くシュート。これがゴールに決まり、北海道はリードを2点に広げた。

「股抜きしたときに、スペースもあったし、余裕もありました。ドリブルでボールを持ち出して、近づけば近づくほど、イゴールは入らないイメージがあったので。あのときは、自分のタイミングで気持ちよくシュートを打てました。その1点目があったから、その後も良い感触でシュートを打てたと思います」

 その言葉通り、鈴木は後半10分にもキックインから豪快なボレーシュートを決め、同11分、19分にはパワープレーに出ていた町田に対し、速攻からゴールを重ねた。「(1試合4得点は) 初めてです。昨年のPUMA杯の準々決勝で、3点はありましたけど。リーグ戦でも3点はありませんし、代々木はちょっと相性がいいのかなっていう感じです」と、笑顔を見せた。

 後半シュート数4で、ゴールも4。圧巻の決定力を見せた鈴木だが、今大会はケガを抱えるFP水上玄太とともに、後半から多くの出場機会を得ている。「選手として、前半から出たい気持ちはある」と、正直に話すが「チームの流れが良いので、明日も後半から出場することになるかもしれませんが、また良い準備をして、チームに貢献できるようにしたい」と、チーム最優先の考えを示した。

 4得点を挙げたスパイクには、ケガをしている仲間の思いも込められている。負傷を繰り返し、現在も戦列を離れているFP仲村学に左足のスパイクに、メッセージを書き込んでもらった。そこには『仲間を信じ、自分を信じ、最後までオレはおまえを信じている』と、書き込まれている。

「ちょっとジーンとくる、良い言葉ですよね」と、笑う鈴木は、左足だけだとバランスが悪いからと、右足には自分でも『自信と自覚を持って、笑顔で楽しむ』と、これまた素敵な言葉を書き込んだ。

 北海道には、PUMA杯の決勝を経験した選手がいない。初の決勝という舞台について、鈴木も「初まってみないとわからない」と話すが、変わらない仲間の想いと自身の決意を持って、最強・名古屋に挑む。

(取材・文 河合拓)

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