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[オーシャン杯]初の3位に輝いた湘南FP近藤「ジジイが足を引っ張らないようにしたい」

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[5.24 オーシャン杯3決 大阪1-1(PK4-5)湘南 小田原]

 湘南ベルマーレにとって、3位決定戦は鬼門だった。前身のP.S.T.C.ロンドリーナ時代から在籍する奥村敬人コーチによると「うちは3位決定戦で、8連敗くらいしている」とのことだ。そんな悪しき伝統に終止符を打った。オーシャン杯の3位決定戦で、シュライカー大阪と対戦し、1-1で40分を終えると、PK戦の末に5-4で勝利した。今シーズンから3シーズンぶりにチームに復帰し、キャプテンを務めているFP近藤純也は、「戻ってきて、いきなり表彰式に参加できて、美味しいですよ」と顔をほころばせた。

 前日に行われた準決勝の町田戦では0-6と完敗した。それでも、チームは3位決定戦に向けてしっかりと切り替えた。「準決勝で感じたのは、チームとしてのやるべきこととかが、疲れてくると抜けてくるというところですね。自分勝手なプレーが出てきて、そうなると連動できなくなる。それできつかったと思います。今日はポジショニングやサポートの意識を最後まで持って戦えた。DFの部分でも、3試合目にして最少失点に抑えられた。それが今日、これだけ良いゲームができた要因だと思います」と、近藤は分析する。

 もう一つ、チームにとって大きいのは、FPボラ不在で勝てたことだろう。前日の町田戦では、守備面で怠慢なプレーがあり、攻撃面でも独りよがりなプレーが見られた。それでも、近藤は「結局、ボラで(ボールが)収まっちゃうんで、アイツ任せにしてしまう部分が僕らにもあるから。逆に今日はみんなで助け合ってできたのかなと思います」と言い、他の選手にはない個の能力を持つブラジル人との歩み寄りを課題に挙げた。

 昨シーズン、湘南は開幕ダッシュに成功したが、プレーオフ進出を果たせなかった。約1か月後に迫るFリーグ開幕に向けて、新キャプテンは一人ひとりのストロングポイントをもっと出せるようにする必要があると語った。

「個々の生きる場所が、把握しきれていない。僕にしてもそうだし、一人ひとりがもっと目立てると思う。チームのベースがある中で、勝負を決めるのは、個の部分。そこをどこで発揮するかを一人ひとりが明確にしていければ。たとえば、コイツが出たらこういうプレーがあるよね、とか。それが分かれば、もう一つ厚みの増したプレーができるようになると思う」

 同時に近藤は、自分自身のパフォーマンスも上げなければならないことも痛感している。「僕自身、ミスが一番多かったと思う。(内村)俊太も途中で怒っていたので(笑)、ジジイが足を引っ張らないようにしたいです。うちは30歳以上が、僕と小野くんとボラぐらいしかいないので。逆にもっと若手に言ってほしいですね。僕も怒るタイプじゃないし」と、若いチームメイトたちからの檄を受けながら、自身にとって3年ぶりのFリーグに備えたいと話した。

(取材・文 河合拓)

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