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[選手権予選]全国総体準Vの武南は6発発進:埼玉2次L

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[10.6 第91回全国高校選手権埼玉県予選2次L第1節 武南6-0浦和北 西武台第2G]

 6日、第91回全国高校サッカー選手権埼玉県予選2次リーグが開幕し、今夏の全国高校総体準優勝で優勝候補筆頭の武南はFW中薗優太(3年)の先制ゴールなど浦和北に6-0で快勝。夏冬連続の全国出場へ好発進した。

 周囲の予想を上回る快進撃で埼玉2位から全国大会のファイナリストとなった武南だが、全員で、必死に戦う姿勢にブレはなかった。全国総体の主力11人がそのままピッチに現れた武南は、切り替えの速い攻守からスピーディーなパスワークでサイドへとボールを運び、立ち上がりから全開で浦和北にプレッシャーをかけていく。

 チーム内で声を欠かさず、セットプレーを与えても、PAに侵入されても人数をかけた守りで得点を阻止する浦和北の好守に序盤は手を焼いた。だが、全国総体で得点ランキング3位タイに入ったMF室崎雄斗(2年)やFW大久保寿希也(2年)が成長を感じさせる力強い突破を見せるなど攻める武南は8分にMF佐藤仁紀主将(3年)が右足ボレーを放ち、20分にも左SB勝山雄月(2年)が思い切りの良い右足シュート。23分にもCB三浦柾人(3年)のポストプレーからMF奥村宣彦(2年)が強烈な右足シュートを放った。

 そして26分、右サイドの奥村を起点にPAへ侵入した佐藤が左後方へラストパス。これを「インターハイよりももうちょっと点を獲りたい。(全国大会6試合で)3点じゃ少ない」という中薗が右足で鮮やかにゴールを破った。先制した武南はさらに後半3分にも右サイドを縦に突いた大久保の折り返しから、室崎が一度はGKにシュートを阻止されながらも跳ね返りを右足でゴールへ叩き込んで2-0とする。

 0-2となった後、一時的に流れを引き寄せた浦和北は7分、左サイドのゴールライン付近で相手DFをチェックしたMF宮下寛太(2年)の折り返しに決定的な形でMF山中健太郎(3年)が飛び込み、8分にも右スルーインのこぼれ球からFW小池秀平(3年)が強烈な右足シュートでゴールを襲った。

 だが武南は後半10分、佐藤が自ら獲得したPKをゴール左隅へ決めて3-0とすると、14分には大久保、中薗とつないで最後は室崎がこの日2点目のゴール。その後、メンバーを入れ替えながらも攻め続ける武南は20分にも右サイドを破った大久保の折り返しを交代出場のFW三木恵輔(3年)が右足で決めて5-0。ロスタイムには三木恵とのワンツーで右サイドを打開したMF佐藤賢太郎(3年)が6点目を決めてゴールラッシュを締めくくった。
 
 全国総体では青森山田、桐光学園、大阪桐蔭と優勝候補を連破して決勝進出。県内でも正智深谷、浦和東、西武台と続く9月の県1部リーグ3連戦を全勝し、この日もライバルたちが初戦で苦しむ中で強さを見せつけるなど、ライバルたちを一歩リードしているように映る。ただ大山照人監督は「埼玉の上位とやってもウチは劣勢になる可能性が高い。接戦をいかに勝利に結び付けられるか。(インターハイで)劣勢のゲームを耐えることを経験している。まだ私には見えないですけれど、それが力としてついたか。(インターハイで決勝に進出したチームであることから)意地でも頑張らないといけない」と語った。

「準優勝の実感はない」と選手たちが語るようにチームにも満足感はない。「全国大会では内容で負けていても勝ちきれたことが大きかった。それは自信になっているし、時々見せるワンツーとかは全国でもできると思っている。ミスが多いのでその確率を上げたらインターハイのようにできる」と力を込める佐藤主将も、「(インターハイでは決勝進出したが)足りないところもスゴくあった。自分たちが強いとは思っていない。一戦一戦しっかり戦うこと。まずは埼玉県を獲って、もう一度全国1位に挑戦したい」と気の緩みは全く感じさせなかった。中薗も「もう1回、全国の決勝の舞台に立ちたい。その前にまず全国に出ること」ときっぱり。自身たちも驚いた全国大会決勝進出の自信と、決勝で敗れた悔しさも胸にV候補はまず埼玉制覇に全力を尽くす。

[写真]中薗が先制ゴールを決めるなど武南は6発発進

(取材・文 吉田太郎)
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