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[MOM684]八千代FW南直志(3年)_強力DFから全国で「やれる」手応え得たエース

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.18 全国高校選手権千葉県大会決勝 流通経済大柏0-0(PK2-3)八千代 柏の葉]

 百戦錬磨の流通経済大柏DF陣も八千代の背番号10には手こずっていた。ボールが入ると厳しいプレッシャーで奪い返しにいくものの、切り返しが鋭く、足元も巧みな10番をなかなか潰すことができない。特に風上に立った後半は一気に押し切りたいはずだったが、八千代はFW南直志(3年)がポイントとなり、彼にボールが入る度に苦しい状況から脱していた。そして南は前半18分に右ゴールライン際で相手DFとの1対1を制してCB柳育崇の決定機を演出。延長後半4分には右サイドからスルーパスをPAのFW浅川隼人へ通して再びビッグチャンスをもたらした。5人目として登場したPK戦では「焦って蹴ってしまった」とGKに止められてしまったが、それでも最も大きな存在感を放っていた。

「押し込まれていたとき、前で受けた時に失うことが多くてそれでDFが辛くなっているのかなと思った。2トップでやり切るようにできなければならない」と反省していた南だが、流経大柏DF陣について「普通に速くて上手かったんですけど、やれると思いました。(特別な相手ではなく)普通のいいDFだと思いました。やれないことはないという感覚もありました」と平然とした表情。全国リーグのプレミアリーグEASTでJユース勢相手に戦っている相手にも怯むことなく100分間を戦い抜いた注目アタッカーは「(全国でも)怖れずにやれるかなと思います」と手応えを口にしていた。

 名門・八千代の10番を背負う今年「とりあえずコイツにボール預ければ何とかしてくるんじゃねーかな、という風に思わせられればいいと思っていた」という。「まだまだッス」と理想のレベルに達していないことを認めるが、それでも苦しい場面でチームに勇気を与えるプレーを見せている。コーチングスタッフはその突破力だけでなく、前線からのハードワーク、運動量についても信頼。この日、改めて手応えを得た攻撃の柱は自信を持って全国大会に挑戦する。

 昨年度全国制覇した市立船橋とは昨年のプリンスリーグ関東1部で戦い、0-1で敗れた。ただ出場した南は「普通にやれるなと思って。こういうチームが全国優勝できるなら、自分たちもできるんじゃないかなと思いました」。同時に「まだまだなので少しずつ改善して良いチームになれればいい」と加えることを忘れなかった南だが、千葉を制した自分たちのサッカー、ハードワークに自信を持っている。全国大会出場について「嬉しすぎて」と表情を緩ませた10番は、この日のように全国のライバルを怖れず切り崩し、全国Vへの使者となる。

(取材・文 吉田太郎)

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