beacon

[選手権]国立への思い届かず…新潟内定MF小塚「ベスト8では帝京長岡の名はすぐに忘れられてしまう」

このエントリーをはてなブックマークに追加

[1.5 全国高校選手権準々決勝 帝京長岡1-2京都橘 三ツ沢]

 攻めても、攻めても、ゴールが遠かった。帝京長岡は2点をリードされた後半開始から左膝内側靭帯の負傷を抱える俊足MF星田朋弥(3年)を投入。攻撃姿勢を強めると、5分には右中間の左SB丸山晃生(3年)の展開からMF島村旭(3年)が右足で追撃ゴールを決めて1点差とした。残り時間は35分。同点に追いつく十分な時間があった。アルビレックス新潟内定のU-18日本代表MF小塚和季(3年)やMF柳雄太郎(2年)が中盤からドリブルで持ち上がり、星田や同じく交代出場のFW永井勝輝(3年)の裏へ抜ける動きも交えて猛攻を繰り出した。

 何度もPA付近までボールを運び、永井や柳の一撃がゴールを襲う。36分には右CKからCB滝沢秀哉(3年)がヘディングシュートを放った。だが、ゴール前で高い集中力を発揮した相手DF陣の前に、あと1点を奪うことができなかった。小塚は「国立を目指してこの3年間やってきたので、あと一歩で負けたことは悔しいです。(足りなかったのは)勝負強さだと思います。あれだけシュートを打ったり、攻撃したんですけど、最後まで点が入らなかった。これが選手権の難しさかなと思いました」と悔しさを滲ませた。

 3度目の出場で全国大会初勝利。3回戦も突破して新潟県勢としては28年ぶりとなる8強入りを果たした。選手それぞれが自身の周りのスペースを有効に使い、トラップ、コントロールでDFを外して攻め上がる。そして世代を代表するタレントである小塚を筆頭にMF長坂拓海(3年)、MF三田陽介(3年)、FW山田貴仁(2年)らが見せた攻撃サッカーは今大会屈指の破壊力だった。「新潟県というと舐められると思うんですけど、雪国でもここまでできるということは全国のサッカーをしている人には少しは見せられたかなと思います」と小塚も胸を張る。

 だが、より多くの人たちに帝京長岡、そして新潟県のサッカーを見てもらうためには、まだ負けてはいけなかった。小塚は「自分も(U-18日本)代表に入った時に『帝京長岡ってどこ?』と聞かれた時に凄く悔しかった。ベスト8では帝京長岡の名は(全国から)すぐに忘れられてしまうので、ベスト4には残りたかった」。無念の敗退。「まだまだ相手が見えていない。疲れてきた時に相手に読まれてしまったり、ピンチになるシーンがあったので、そこはまだまだだなと思いました」と自身のプレーを反省した小塚は、目標であったベスト4、そして日本一を後輩たちに託す。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 吉田太郎)
▼関連リンク【特設】高校選手権2012

TOP