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[MOM873]綾羽MF高野大輝(3年)_「チームで一番効いている、欠かせない選手」

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.31 全国高校選手権滋賀予選3回戦 綾羽10-0国際情報 ビッグレイク]

「チームで一番効いている、欠かせない選手」と綾羽・岸本幸二監督が一目置く選手がいる。それはアンカーを務める高野大輝(3年)だ。今年から選手主導のボトムアップ理論を取り入れている綾羽はこの日の試合、中一日で迎えるベスト8を考慮し、通常のスタメンから半数を入れ替える決断を下した。次戦以降のレギュラー入りを目指し、意気込む選手が多い中、地味ながらも、一番効いていたのはキャプテンマークを巻いていつも通り試合開始の笛を聞いていた彼だった。

 メンバーを入れ替えつつも、「自分らの中での、守備は無失点、攻撃では2得点以上という毎試合ごとの決まり事があって、そこを考えながら組んだ」(DF堀井翔太、3年)だけに攻守の鍵となるポジションは外せなかったという。指揮官だけでなく、選手からも信頼される彼は、立ち上がりから、「ボールを動かそうとしたら、あそこは外せないという判断だったんじゃないかな?」と岸本監督が口にしたように、後方からボールを引き出し、周囲への配給でリズムを生み大量得点の起点となった。

 守備では読みのいいポジショニングで相手のコースを消して、カウンターの危機を未然に防ぎ続け、毎試合ごとの目標達成に大きく貢献。そして、「相手がバテてくると思っていた」という後半は8分に自らもゴールを奪うなど、攻守に大車輪の活躍を見せ、後半12分には“お役御免”という形でベンチに退いた。

 全国の舞台を目指し、綾羽に入学したが、これまで出場は無し。ラストイヤーを迎えた今年は高校総体予選もベスト8で涙を飲んだ。残るは選手権のみとなった夏以降は、「それぞれが考えるようになった。最近はミーティングで皆、意見を言うようになってきた」とチームはまとまりが出てきており、「自分たちのサッカーが出来たら、野洲であれ、
次の立命館守山であれ、勝てると思う」と胸を張る。

 逆に、自分たちが思うようなサッカーが出来ない試合での脆さが課題として挙げられるが、「強い相手と練習試合をして、上手い事行かない事もあったんで、ちょっとずつ良くなっている」と自信を見せる。これまでのように悔し涙を流さないためには勝ち続けるしかない。勝ち続けた先にある歓喜の輪の中心には高野の存在が欠かせない。

(取材・文 森田将義)
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