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[選手権予選]ライバル・尚志撃破!富岡が5年ぶりの全国進出!:福島

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[11.2 全国高校選手権福島県予選決勝 尚志1-2富岡 鳥見山陸上競技場]

 第92回全国高校サッカー選手権福島県予選は2日、決勝が行われ、尚志を2-1で下した富岡が5年ぶり2回目の全国大会出場を決めた。

 06年に尚志が、08年に富岡が選手権初出場を果たして以降、福島県内のタイトル争いはこの2校を中心に繰り返されてきた。まさにライバル決戦と言うべき決勝カードだったが、富岡にしてみると、「いつも大事なところで尚志に負けていた」(富岡GK高瀬凌平、3年)という印象のほうが強かったかもしれない。尚志の壁に阻まれるうちに、選手権という晴れ舞台は遠のいていた。

 両校の今季戦績は2勝2敗。数字の上では五分である。プリンスリーグでは富岡の2勝だが、「リーグ戦では尚志も(メンバーを)落としてくるし、本気ではない部分がある。トーナメントの尚志は違う」(高瀬)と、相手の力をあらためてリスペクトしたうえで臨んだ試合だった。

 だからこそ、「立ち上がりが大事だった」とFW高木洋輔(3年)は明かす。試合の入りから高木とFW内山翔太(3年)の2トップが果敢に圧力を加え、最終ラインも積極的に押し上げて尚志を押し込む。風上に立った利もあり、テンポの良いボール回しという富岡伝統のストロングポイントも出て、ペースをつかんでいった。CB佐藤翔太郎(3年)を中心とする尚志守備陣の踏ん張りもあって先制点は奪えない少し嫌な流れになったが、これを打破したのはセットプレー。33分、MF黒澤健太(3年)の右足から放たれた一撃がネットを揺らすと、試合の天秤は一挙に富岡へ傾いた。

 後半に入ると尚志もMF篠崎幸樹(3年)のダイナミックな動きやFW陣の体を張ったプレーが出て巻き返したが、「先制点で気持ちがラクになって余裕が出ていた」(高木)という富岡は粘り強く対処。逆に後半37分、抜け出した黒澤が粘ってつないだボールを内山が落ち着いて決め、2-0とした。このあと尚志も試合を捨てずに抗戦を継続し、終了間際の80分にロングスローからDF久保田孔了(3年)が頭で決めて1点差とするも、反撃はここまで。2-1で競り勝った富岡が5年ぶり2度目の、2011年3月11日以降では初めてとなる、念願の選手権切符を手に入れた。

[写真]先制点を決めた富岡MF黒澤が歓喜のガッツポーズ

(取材・文 川端暁彦)
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