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[選手権]“山陰の雄”立正大淞南、広島内定SB高橋をSH起用する超攻撃的プランも

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 10年度高校選手権4強、11年、12年全国高校総体4強と全国舞台で結果を残している立正大淞南(島根)はサンフレッチェ広島内定のU-18日本代表SB高橋壮也(3年)を左サイドハーフで起用するプランもあるようだ。

 高橋は10番を背負った昨年の全国総体で4強進出に貢献。大会優秀選手に選出された高橋は昨冬の高校選手権でも大会優秀選手に選出され、その後日本高校選抜、U-18日本代表へと駆け上がった。持ち味は驚異的な走力。自陣から40m~50mを一気に駆け上がってクロスを上げると、自陣へ全速力で戻ってまた圧巻のスプリントを繰り返す。一時は「タイミング関係なく全部行く」ほどの思い切りの良さが薄れていた時期もあるが、南健司監督の「突破力で観客沸かせられるの? 違うでしょうと。いいクロスで沸かせるのか? 違うでしょうと。圧倒的な走力でうわっと思わせるんだから、ずっと行って、ずっと戻ってくればいいんじゃないか」とアドバイスによって本来の良さを取り戻してきている。

 その高橋は開星と戦った10日の島根県予選決勝で本来の左SBではなく、左サイドハーフとしてプレー。これはプリンスリーグ中国でもテストせず、県決勝のために準備されていた攻撃プランだった。南監督は「最後は向こうの右SBが嫌になっていたと思います。向こうの(キーマンである)右ワイドを守備に帰らせたいという狙いもあった」。チームは高橋の活躍もあり、4-3の打ち合いの末に勝利。高橋が中盤を務めたことで守備が手薄になってしまった部分があったのは確かだが、攻めて相手にプレッシャーをかけたことが勝因になった。南監督が「(入学当初から)『プロになるためにどんな練習もする。どんなしんどいこともする』という子」という努力でプロへ上り詰めたという高橋。立正大淞南で努力してプロ入りを勝ち取ったSBは、全国大会でのサイドハーフ起用も「全然ある」(南監督)というだけに、その攻撃力で山陰地方を代表する強豪を4強、そして頂点へ導くことができるか注目だ。

 組み合わせ抽選会に参加した立正大淞南のMF佐藤拓真主将(3年)は「今回は国立へ行って優勝を目指したい」ときっぱり。ピッチを広く使った攻撃が武器の水戸啓明(茨城)と初戦で対戦することが決まったが、しっかりと相手を分析して万全の準備で大会に臨むつもりだ。高橋は県決勝後、広島へ練習参加してその牙を研いでいる。準々決勝で敗れた昨年度の選手権後、「(13年は)チームの中心選手となって、あと一歩届かなかった国立に行けるように頑張りたいし、プロになるという自分の目標を叶える1年だと思います」と誓っていた高橋は「プロになる」という目標に続き「国立へ行く」という目標もチームメートとともに必ず叶える。

(取材・文 吉田太郎)
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