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[選手権]「あのシーンだけは良かった」U-15代表候補歴持つ熊本国府MF山口が先制点演出

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[12.30 全国高校選手権1回戦 熊本国府2-1國學院久我山 国立]

 太陽スポーツクラブ熊本玉名U-15(熊本)時代の11年8月にU-15日本代表候補に選出されている熊本国府MF山口慶希(2年)が攻守で存在感を放った。0-0で迎えた前半27分、右サイドの高い位置でインターセプトした山口は一度味方に預けてからリターンを受けると、切り返しから逆サイドのMF川上康平(2年)へ素晴らしい弾道のクロスボール。展開を一発で変える高精度の左足から放たれたボールは「(本当は)シュートだったと思います(微笑)」(山口)という川上の左足ダイレクトでの折り返しから、FW大槻健太(3年)の先制ゴールとなった。「自分でもあのシーンだけは良かったと思います」と胸を張った好守からの左足キックがチームを勝利へ前進させた。

 本人は謙遜するが、守備面での貢献度は非常に大きかった。相手の注目MF渡辺夏彦主将(3年)を辛抱強くマーク。スピードに乗った状態でPAへ入らせないように身体を張ってブロックするなど気を遣いながら80分間走り回った。佐藤光治監督が「きょうはボランチ2人が大きかった。足を止めずにやってくれた」と讃えたMF中島一希(3年)とのボランチコンビで走り、相手にプレッシャーをかけ続けてV候補を1ゴールに抑えた。

 中学卒業時にJクラブユースなどからの誘いもあったという山口だが、「地元でプレーしたいと思った。(熊本では)常に大津が全国大会に出場しているので、大津を倒したいという気持ちで(熊本国府に)来ました」と熊本国府へ進学することを決意。そして今大会では目標通りに県予選準決勝で大津を撃破し、全国でもまず1勝を果たした。その中でチーム唯一の代表歴を持つ山口は、国立のピッチでも全く気後れすることなくプレーし、特長である運動量を発揮して勝利に貢献。「中学校の時はケガで(代表から)落とされたんですけど、また上に行きたい。そのためにはここでやらないと上にいけない。もっと自分ではやれると思っています」という2年生MFが今後も熊本国府を攻守で支え、躍進させる。

(取材・文 吉田太郎)

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