[選手権予選]準々決勝最注目カードは中津東が制す!:大分
[11.1 全国高校選手権大分県予選準々決勝 中津東高 2-1 大分西高 中津市営サッカーグラウンド]
第93回全国高校サッカー選手権大分県予選準々決勝が1日、中津市営サッカーグラウンドで行われた。昨年まで2年連続優勝の中津東高と、総体予選準優勝の大分西高が激突した準々決勝最注目カードは、中津東が前半のリードを守り切り、3連覇へ前進した。
中津東は序盤からサイドを広く使いながら攻撃を果敢に仕掛けていく。前半7分に中央からのFKを奥尚輝が左足で直接狙ってゴールを脅かすと、14分には湯口泰成がドリブルで持ち込んで右足でシュートを放つなど、果敢にゴールを狙う。そして、迎えた16分、エース、主将、背番号10の3つの重責を背負うFW山本隼斗(3年)が、会場の観客が静まり返るような強烈な一撃を突き刺して見せる。ピッチ中央でボールを受けた山本が前を向く。すると、「前を向いた瞬間にGKが前に出ているのが分かったのと、ゴールを狙っていけと監督に言われていたので、1本打とうかなと思ったら、しっかり芯で捉える事が出来た」と本人が説明するように、ゴールから30mくらいの距離を物ともせずに振り抜いたボールは強烈なドライブ回転が掛かり、ネットに突き刺さった。GKが一歩も反応が出来ないゴールが決まった瞬間、会場内も何が起こったか分からず、1テンポ遅れて大歓声が上がる程のスーパーゴールだった。
このゴールで先制した中津東は、その後も、山本や前線のFW松浪竜希(2年)らが流動的に動いて追加点を狙う。30分には松浪がドリブルでの仕掛けから奥にボールが渡り、GKと1対1。これを一度は大分西の守護神GK大塚樹(2年)が防ぐも、奥がそのこぼれ球を拾って無人のゴールへと流し込み、リードを広げる。これで2点差とした中津東であったが、「(総体予選準々決勝・大分西戦は)残り5分でセットプレーやられて2点差を追い付かれると、延長で2点取られて負けてしまった。なので、大分西とあたる時は2点差であってもセーフティーではない」(松田雄一監督)という夏の苦い記憶を甦らせるような失点を喫してしまう。前半終了間際の39分、左サイドをFW河辺駿太郎(3年)に破られて低い弾道のクロスをニアに入れられると、180cmの大型FW宗太海(2年)に頭で合わせられて1点差とされてしまった。
2点目をなんとしても与えたくない中津東であったが、迎えた後半は大分西に攻め込まれる時間が多くなる。しかし、この日の試合では夏と同じ失敗を繰り返さなかった。松田監督に試合前から「スライドをしていって、マークの受け渡しだけはしっかりしなさい」と伝えられていたという部分を再度徹底。すると、ゴール前のところでしっかりと身体を寄せ切ることと、マークのずれという部分の修正に成功する。そして、最終ラインでスイーパー気味に構えていたCB松永康汰(2年)が裏のスペースをしっかりとカバーして守り切った。
試合終盤には大分西がCB法野功太郎主将(3年)を前線に上げてパワープレーを仕掛けて来たが、ピッチ内で話し合い、前線の山本をマンツーマンで付けて対応する。後半37分には河邉にミドルシュートを左足で放たれるもバーの上。アディショナルタイムに入り、ラストワンプレーというシーンで再び河邉にシュートを放たれたが、GK久保政博(2年)が好セーブで阻止する。さらに、このこぼれ球に宗が突っ込むが、久保が再び身体を張った守備でブロックして得点を許さなかった。直後に試合終了の笛が鳴り、試合終了。中津東は見事に総体予選のリベンジを果たし、3年連続の全国大会出場という偉業にまた一歩近づいた。
[写真]前半16分、中津東は山本のゴールで先制
(取材・文 松尾祐希)
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【特設】高校選手権2014
第93回全国高校サッカー選手権大分県予選準々決勝が1日、中津市営サッカーグラウンドで行われた。昨年まで2年連続優勝の中津東高と、総体予選準優勝の大分西高が激突した準々決勝最注目カードは、中津東が前半のリードを守り切り、3連覇へ前進した。
中津東は序盤からサイドを広く使いながら攻撃を果敢に仕掛けていく。前半7分に中央からのFKを奥尚輝が左足で直接狙ってゴールを脅かすと、14分には湯口泰成がドリブルで持ち込んで右足でシュートを放つなど、果敢にゴールを狙う。そして、迎えた16分、エース、主将、背番号10の3つの重責を背負うFW山本隼斗(3年)が、会場の観客が静まり返るような強烈な一撃を突き刺して見せる。ピッチ中央でボールを受けた山本が前を向く。すると、「前を向いた瞬間にGKが前に出ているのが分かったのと、ゴールを狙っていけと監督に言われていたので、1本打とうかなと思ったら、しっかり芯で捉える事が出来た」と本人が説明するように、ゴールから30mくらいの距離を物ともせずに振り抜いたボールは強烈なドライブ回転が掛かり、ネットに突き刺さった。GKが一歩も反応が出来ないゴールが決まった瞬間、会場内も何が起こったか分からず、1テンポ遅れて大歓声が上がる程のスーパーゴールだった。
このゴールで先制した中津東は、その後も、山本や前線のFW松浪竜希(2年)らが流動的に動いて追加点を狙う。30分には松浪がドリブルでの仕掛けから奥にボールが渡り、GKと1対1。これを一度は大分西の守護神GK大塚樹(2年)が防ぐも、奥がそのこぼれ球を拾って無人のゴールへと流し込み、リードを広げる。これで2点差とした中津東であったが、「(総体予選準々決勝・大分西戦は)残り5分でセットプレーやられて2点差を追い付かれると、延長で2点取られて負けてしまった。なので、大分西とあたる時は2点差であってもセーフティーではない」(松田雄一監督)という夏の苦い記憶を甦らせるような失点を喫してしまう。前半終了間際の39分、左サイドをFW河辺駿太郎(3年)に破られて低い弾道のクロスをニアに入れられると、180cmの大型FW宗太海(2年)に頭で合わせられて1点差とされてしまった。
2点目をなんとしても与えたくない中津東であったが、迎えた後半は大分西に攻め込まれる時間が多くなる。しかし、この日の試合では夏と同じ失敗を繰り返さなかった。松田監督に試合前から「スライドをしていって、マークの受け渡しだけはしっかりしなさい」と伝えられていたという部分を再度徹底。すると、ゴール前のところでしっかりと身体を寄せ切ることと、マークのずれという部分の修正に成功する。そして、最終ラインでスイーパー気味に構えていたCB松永康汰(2年)が裏のスペースをしっかりとカバーして守り切った。
試合終盤には大分西がCB法野功太郎主将(3年)を前線に上げてパワープレーを仕掛けて来たが、ピッチ内で話し合い、前線の山本をマンツーマンで付けて対応する。後半37分には河邉にミドルシュートを左足で放たれるもバーの上。アディショナルタイムに入り、ラストワンプレーというシーンで再び河邉にシュートを放たれたが、GK久保政博(2年)が好セーブで阻止する。さらに、このこぼれ球に宗が突っ込むが、久保が再び身体を張った守備でブロックして得点を許さなかった。直後に試合終了の笛が鳴り、試合終了。中津東は見事に総体予選のリベンジを果たし、3年連続の全国大会出場という偉業にまた一歩近づいた。
[写真]前半16分、中津東は山本のゴールで先制
(取材・文 松尾祐希)
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