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[選手権予選]1年前に出なかったあと一歩、八千代のエースFW佐藤は仲間のためにゴールを

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[10.11 全国高校選手権千葉県予選決勝T1回戦 八千代高 1-0 渋谷幕張高 八千代松陰高G]

 一歩が出なかった1年前。悔しさを忘れずに1年間を過ごしてきたエースFWが八千代高を全国へ導く。昨年も主力のひとりとして選手権予選を経験しているFW佐藤史将(3年)はこの日、前線で決定機に絡むプレー。だが前半18分にファーストコントロールでDFの前に出て放った決定的な左足シュートはGKの好セーブに阻まれ、後半37分にスルーパスで抜けだしてから狙った左足シュートもGKに触られ、ゴール左へと外れた。この日は得意の左足から放ったミドルシュートもGKの正面を突くなど不発。勝利した試合後も悔しさを滲ませていた。

 八千代は昨年の選手権予選準決勝で市立船橋高と対戦。0-0で突入した延長戦の後半に決勝点を奪われて0-1で敗れた。佐藤は後半にクロスから決定機を迎えたが、「自分が一歩出せなくてスライディングで行って、(スライディング、シュートが)弱くてニアのポストに当ててしまった」。GKを完全に外していただけに、もう一歩しっかりと前に足を踏み出していれば決められたシュートだった。「自分が決めていれば、ベンチの人たちだったり、出れる機会があったのに自分のせいで絶たれた選手もいる」。その悔しさ、責任感を忘れずに1年間を過ごしてきた。

 高さとスピードを兼ね備え、左足シュートも武器とするFWは、動き出しにこだわって磨いてきた。それに合わせてくれる仲間たちとの連係も高まっている。だが、納得の行く結果は出ていない。進路先で本格的なサッカーを続けるかどうかは未定。だからこそ、この冬に懸ける想いを持っている。「今日外したのもすごく悔しくて。『次、頑張れ』と言われるけれど悔しいです」。先のことを考えずに目の前の試合に集中しているからこそ、結果を出せなかったことへの悔しさに唇を噛んだ。

 全国ナンバー1とも言える激戦区・千葉を勝ち抜くためにはエース・佐藤の力で勝たなければならない試合が間違いなくあるはず。次の試合で今度こそ結果が出るように取り組み、先輩たちや仲間たちのために必ずゴールを奪う。

(取材・文 吉田太郎)
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