[MOM1527]西目DF伊藤輝(3年)_毎朝掃除機で自宅の清掃、心整えたSBが「やってしまった」スーパーミドル!
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.22 全国高校選手権秋田県予選準決勝 新屋高 1-2 西目高 八橋陸上競技場]
西目高の黄色いユニフォームがこの日最高の盛り上がりを見せたのは、1-0の後半29分に背番号13が豪快な右足ミドルを突き刺した瞬間だった。ベンチのコーチ陣が一斉に飛び出し、サブ組の選手たちもピッチサイドまで駆け寄って殊勲の左SB伊藤輝(3年)を祝福する。そして伊藤輝はやや遅れて駆け寄ったピッチ上の選手たちとハイタッチ、抱擁。主将のCB山崎嘉樹(3年)は「(伊藤輝は)普段から弄られキャラで、昨日の練習でもそういう場面のシュートの時、全部フカしていたので今回も外すと思ったら、まさか決めてくれたので、みんなびっくりです。本当にびっくりしています」と語り、畠山啓監督も驚きの表情を隠さなかった。
当の伊藤輝は「やってしまった」と微笑。クロスのこぼれ球を豪快に左サイドネットへ突き刺したシュートについて「昨日のCK練習でも何回かこぼれ球あったんですけど全部フカしてしまった。でもあれ(今回のゴール)は、しっかり(シュートを)抑えて気持ちで押し込もうと思いました。難しかったですけれど、感触は良くて、蹴ったボール見たらもうサイドネットに突き刺さっていました。びっくりしました。真っ白でした。まずベンチに行ってチームメートとしっかり抱きあおうと」。チームのムードメーカーが決めた驚きの一撃が決勝点となった。
SHを務めていた伊藤輝は昨冬の静岡遠征から先発落ち。判断を欠き、「何となくやっているプレーが多かった」(畠山監督)ことでSBの控えに回っていた。だが、けが人が出たこともあって県1部リーグ戦最終節・秋田商高戦に先発起用されると好プレーを披露。先発を取り返して選手権予選を迎えていた。「長かったです」という控え時代、落ち着いてプレーし、判断するために自分の部屋の整頓などの取り組みを行ってきたが、効果がなかったという。それが「秋商戦一週間前から朝毎日、家のリビングを掃除機でかけている。そうしたら心が落ち着くようになった」。誰かにアドバイスされた訳ではない。だが、自分で何かを変えようとした結果が「ちょっと汚かったので」始めたというリビングの清掃。「毎朝7時半くらいに掃除機かけて家を出る」習慣を続けているというSBはこの日も宿舎で自分の部屋のゴミの処理をしてから会場に入り、今年初ゴールを“スーパーな”一撃で決めた。
「前よりはバタバタしなくなった」という伊藤輝はスーパゴール以外でも存在感あるプレーを見せていた。ボールが入ると持ち前のテクニックを活かし、相手の逆を取って前進。サイド攻撃のアクセントになっていた。全国切符を懸けた24日の決勝へ向けては「決勝というプレッシャーもあるんですけど、普段と変わらず落ち着いてしっかり自分の得意のところも出してチームに貢献していきたいです」。自分が落ち着いてプレーするための術を自分で見つけて実行し、大仕事をしたSBが決勝にも心を整えてから臨んで「(入学以来西目で)全国経験したことがない。全国で1勝したいという気持ちがあります」という気持ちをぶつけて勝利する。
(取材・文 吉田太郎)
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【特設】高校選手権2015
連載:高校マン・オブ・ザ・マッチ2015
[10.22 全国高校選手権秋田県予選準決勝 新屋高 1-2 西目高 八橋陸上競技場]
西目高の黄色いユニフォームがこの日最高の盛り上がりを見せたのは、1-0の後半29分に背番号13が豪快な右足ミドルを突き刺した瞬間だった。ベンチのコーチ陣が一斉に飛び出し、サブ組の選手たちもピッチサイドまで駆け寄って殊勲の左SB伊藤輝(3年)を祝福する。そして伊藤輝はやや遅れて駆け寄ったピッチ上の選手たちとハイタッチ、抱擁。主将のCB山崎嘉樹(3年)は「(伊藤輝は)普段から弄られキャラで、昨日の練習でもそういう場面のシュートの時、全部フカしていたので今回も外すと思ったら、まさか決めてくれたので、みんなびっくりです。本当にびっくりしています」と語り、畠山啓監督も驚きの表情を隠さなかった。
当の伊藤輝は「やってしまった」と微笑。クロスのこぼれ球を豪快に左サイドネットへ突き刺したシュートについて「昨日のCK練習でも何回かこぼれ球あったんですけど全部フカしてしまった。でもあれ(今回のゴール)は、しっかり(シュートを)抑えて気持ちで押し込もうと思いました。難しかったですけれど、感触は良くて、蹴ったボール見たらもうサイドネットに突き刺さっていました。びっくりしました。真っ白でした。まずベンチに行ってチームメートとしっかり抱きあおうと」。チームのムードメーカーが決めた驚きの一撃が決勝点となった。
SHを務めていた伊藤輝は昨冬の静岡遠征から先発落ち。判断を欠き、「何となくやっているプレーが多かった」(畠山監督)ことでSBの控えに回っていた。だが、けが人が出たこともあって県1部リーグ戦最終節・秋田商高戦に先発起用されると好プレーを披露。先発を取り返して選手権予選を迎えていた。「長かったです」という控え時代、落ち着いてプレーし、判断するために自分の部屋の整頓などの取り組みを行ってきたが、効果がなかったという。それが「秋商戦一週間前から朝毎日、家のリビングを掃除機でかけている。そうしたら心が落ち着くようになった」。誰かにアドバイスされた訳ではない。だが、自分で何かを変えようとした結果が「ちょっと汚かったので」始めたというリビングの清掃。「毎朝7時半くらいに掃除機かけて家を出る」習慣を続けているというSBはこの日も宿舎で自分の部屋のゴミの処理をしてから会場に入り、今年初ゴールを“スーパーな”一撃で決めた。
「前よりはバタバタしなくなった」という伊藤輝はスーパゴール以外でも存在感あるプレーを見せていた。ボールが入ると持ち前のテクニックを活かし、相手の逆を取って前進。サイド攻撃のアクセントになっていた。全国切符を懸けた24日の決勝へ向けては「決勝というプレッシャーもあるんですけど、普段と変わらず落ち着いてしっかり自分の得意のところも出してチームに貢献していきたいです」。自分が落ち着いてプレーするための術を自分で見つけて実行し、大仕事をしたSBが決勝にも心を整えてから臨んで「(入学以来西目で)全国経験したことがない。全国で1勝したいという気持ちがあります」という気持ちをぶつけて勝利する。
(取材・文 吉田太郎)
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