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[MOM1525]湘南ユースFW和田響稀(1年)_貴重な同点弾も苦言と反省、指揮官「背中でチームを引っ張れる選手に」

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.18 Jユースカップ2回戦 湘南ユース 2-1 栃木ユース 馬入]

 瞬発的な輝きだったかもしれないが、試合を動かしたのはまさにその爆発的な輝きだった。

 Jユースカップ2回戦。栃木SCユースとの試合に臨んだ湘南ベルマーレユースは、前半の終わりにセットプレーから失点して0-1でハーフタイムを迎えるという最悪の流れにあった。押し込みながらも攻め切れず、逆に自らスキを作って失点。お世辞にも良いと言えない試合内容の中で、1年生FW和田響稀もその個性をほとんど発揮できないでいた。

「前半はうまく入れないことが多くて、今回もそういう感じで試合に入ってしまった。スペースがない場面が多かったけれど、それでも縦に受ける場面を作らないといけなかった」(和田)

 前半を振り返って出てくるのは反省の弁ばかり。ハーフタイムでの交代も覚悟していたに違いないが、指揮官はこのルーキーをピッチに残す。それは信頼の証というより期待の表れ。「後半は絶対にやってやる」と湘南イレブンが心を一つにして入った後半の立ち上がりに千載一遇のチャンスはやってきた。

「後ろがしっかりつないできてくれたボールだったので、無駄にできないと思った。パスが来る前からシュートまで持って行くイメージはできていた」

 MF佐々木大樹のパスから前を向いた和田は、前へと勝負を仕掛ける。前半は余り観られなかった縦パスを起点にゴールへ向かって一気呵成に加速していく流れは、まさに湘南ベルマーレ。鋭い振り足から放たれたシュートは軽やかにゴールネットを揺らし、ハーフタイム前に栃木へと傾いていた流れは一気に湘南側へと傾いた。結果、2-1の逆転勝利で湘南は3回戦へと駒を進めた

 まさに値千金の同点弾だったが、「あのゴールだけで満足してもらっては困る」と時崎監督は苦言を忘れない。確かに試合全体を通してみれば、コンスタントに良いプレーを見せられたわけではなかったのも事実で、和田本人も反省を忘れてはいなかった。もっとも、指揮官が苦言を残すのは期待の裏返しだ。続けて言った「響稀には足先のテクニックだけの選手ではなく、背中でチームを引っ張れる選手になってほしい」という言葉は、偽らざる本音だろう。

 戦い終えて、和田は「やっぱり3年生と少しでも多くサッカーをやっていたい。全部が終わったあとに、笑ってピッチに立っていられるような大会にしたい」と語った。そのためには、この1年生が残り試合で「背中で引っ張れるような」プレーを見せられるかが大きなポイントとなることだろう。

(取材・文 川端暁彦)
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