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[選手権予選]和歌山3冠目指す和歌山北が4ゴールで快勝も、指揮官は満足せず

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[10.30 全国高校選手権和歌山県予選3回戦 和歌山北高 4-0 和歌山高専 上富田スポーツセンター人工芝]

 第94回全国高校サッカー選手権和歌山県予選は30日に3回戦4試合を行い、和歌山北高と和歌山高専が対戦。MF櫻井翼の得点を皮切りに、4得点を奪った和歌山北が4-0で快勝した。和歌山北は11月1日の準々決勝で近大和歌山高と対戦する。

「選手権は何としてでも出たい場所。ここで勝つために、一年間準備してきた」。中村大吾監督の意気込み通り、立ち上がりは上々の滑り出しを見せた和歌山北のペース。キックオフと同時にMF川井悠希西村宣哉らがテンポ良くボールを動かしサイドに配球すると、櫻井、和田広矢の両翼が両SBの積極的な攻撃参加を交えながら、ゴールに迫った。前半2分に生まれた先制点もサイドを突いてのモノ。左から中に切れ込んだDF中島雅堯が倒され、PA前でFKを得ると、西村のキックを櫻井が頭で合わせ、ゴールネットを揺らした。4分にも素早いパス回しで相手を翻弄し、最後はMF西泰星がゴール前にスルーパス。後方から飛び出した川井が倒され、PKを獲得すると、西が冷静に決めてリードは2点差に。以降は、11分にFW通阪瑞輝、14分には和田が加点した。

 幸先の良いスタートを切ったものの、「序盤から良い流れで試合が出来たけど、パスミスが増えていった」(西)ことで、攻撃の勢いは徐々にペースダウン。24分には相手陣内でのパスミスを和歌山高専に奪われると、MF奥浜真乃助にサイドへ展開され、MF箱島智啓にシュートまで持ち込まれた。和歌山北は試合の大勢が決まった後半、「次の試合で、使う可能性がある選手を試したかった」(中村監督)と立て続けに選手交代を実施。準々決勝に向けたテストを行ったが、前半同様にパスミスが散見するなど、攻守ともに上手く行かず。後半13分には高い位置でボールを奪った櫻井のスルーパスから、通阪がゴールを狙ったが、左ポストに阻まれた。27分にも右サイドからの折り返しを通阪がゴール前で合わせたが、GKの正面に終わり、タイムアップを迎えた。

 尻すぼみで終わった和歌山北は試合後、中村監督が「何もない試合。横着なプレーが多かったと思う。攻撃も守備も、いい加減なポジショニングばかりやったし、プレーに連続性がなかった。良いプレーをするための準備ができてなかったと思う」とバッサリ。「次の試合まで一日空くので、気持ちを切り替えさせたい。今日の試合でダメだった部分を振り返り、『このままじゃ行けない』と気を引き締めてほしい」と奮闘を促した。

 次に戦う近大和歌山は昨年と一昨年の選手権予選で敗れた相手。目標とする県3冠を達成するには、避けて通れない相手だ。昨年の対戦時は、2年生主体のチームだったため、初めて選手権予選を経験する選手ばかりで、「緊張で自分のプレーがまったくできなかった」という西を始め、ほとんどの選手が本領を発揮できなかった。だが、今年は新人戦と県総体を制覇。全国の舞台も経験しており、昨年よりも逞しくなった自負がある。「3冠を目標にしてきたので、選手権に出てもう一度、全国で勝負したい」(西)の言葉を実現するためには、この日の試合を薬にするしかない。

[写真]GKとの1対1からゴールを狙う和歌山北FW通阪

(取材・文 森田将義)
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