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[選手権]折れずにドリブルサッカー貫いた聖和学園、加見監督「負け方もダイナミックで良かった」

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[1.2 全国高校選手権2回戦 青森山田高 5-0 聖和学園高 等々力]

「取られようが、何しようが、自分たちのサッカーをやるために毎日頑張ってきたので自分たちで最後までやり通したと思う。勝ち方も良かったですけれども、負け方もダイナミックで良かったんじゃないかと思いますね」。最後まで聖和学園高らしく、培ってきたドリブルサッカーを貫いた選手たちを加見成司監督は独特の言い回しで評価した。

 “セクシー対決”と評された野洲高(滋賀)との注目の初戦を7-1で快勝。指揮官が「出来が良すぎました」という試合展開だったが、「東北のドリブル軍団」は1万5300人の大観衆の度肝を抜くようなサッカーで白星を掴んだ。この日の青森山田高戦も1万5000人の観衆が詰めかけた中で自分たちのサッカーを勝負する。立ち上がりから前に出てきた青森山田。高校年代最高峰のリーグ戦、プレミアリーグで戦う彼らのプレスは非常に鋭かった。聖和学園の選手たちが1人かわしても2人目、3人目のDFにことごとく捕まった。たとえ守備網を破っても最後シュートコースを切られて、ゴールが遠かった。

「スペース消してプレスが厳しい中でもやれないとダメだと思う」と加見監督。聖和学園は高校トップレベルのプレスに挑戦するかのように仕掛けを繰り返した。不運な形での失点で先制され、カウンターから追加点を奪われた。初戦とは一転、失点がどんどん重なっていった。だが、その苦しい展開でも、破ることが容易ではなくても、聖和学園の選手たちはゆっくりとした攻撃で緑の壁にドリブルで仕掛け続けた。

 そしてスペースへ抜け出すFW谷田光(3年)へスルーパスが通りかけるようなシーンもあった。だが広大なスペースをケアするU-18日本代表GK廣末陸(2年)の好守にあうなど、1点が遠い。突破を阻まれ、ボールを大きく蹴りだされても、自陣から攻めなおして挑戦した80分間。0-5であったが、折れることなく、聖和学園らしく戦った先輩たちの姿を目に焼き付けた後輩たちが、またこのサッカーで選手権に帰ってくる。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 吉田太郎)
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