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山形中央キャプテン岩村、後輩に託した全国1勝の夢

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山形中央(山形)主将のMF岩村豊は悔しさをにじませた

[1.2 全国高校選手権2回戦 山形中央高0-1一条高 西が丘]

 夏の全国高校総体は刈谷高(愛知)に1ー4で敗れて初戦敗退。その悔しさを胸に目指してきた全国1勝の悲願はまたも果たせなかった。山形中央(山形)主将のMF岩村豊は「自分たちの弱いところが出た。自分がゲームコントロールをしっかりできなかったことが敗因だと思う」とうなだれた。

 選手権はめくるめく夢舞台だった。モンテディオ山形ユースからのオファーもあったが、選手権への羨望から迷いなく選んだ高校サッカーの道。しかし、その本番80分間に思うようなプレーは披露できなかった。

 前半のシュート数は0本。「僕たちが(選手権の)雰囲気に飲まれてしまったのは否めない。気持ちの高まりをコントロールできない選手もいた。前半はバタついてしまって、悔やまれるゲームの流れ」。羽角哲弘監督は自滅した前半をそう表現した。終盤は意地を見せ、後半34分には左サイドをドリブルで切り込んだMF中川和彦(2年)がそのままシュートを放ったが、わずかにゴール右に外れ、同点弾は奪えなかった。

「チームとして慌ててしまって、インターハイと同じになってしまった」。岩村は後半32分に接触プレーで右腰を痛め、負傷交代。脳しんとうで前半で交代した夏の全国総体の無念と重ね、「自分は全国の舞台に向いてないのかな」と声を落とした。

 今季は県新人戦、県総体、県1部リーグ、選手権県予選と山形4冠を達成。来季のプリンスリーグ東北昇格も決め、後輩に“置き土産”を残したが、「全国で勝つことができなければ意味がない」と厳しい言葉を向けた。山形県勢は10大会連続で初戦敗退。「来年後輩がやってくれると思う」。全国1勝の夢は後輩に託し、自らは大学サッカーで全国1勝を目指す。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 佐藤亜希子)
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