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[MOM2306]鹿児島城西GK泉森涼太(3年)_「外しても止めてくれる」仲間の信頼に応え、昨季に続いてPKストップ

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雄叫びを上げる鹿児島城西GK泉森涼太(3年)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.11 選手権鹿児島県予選準決勝 鹿児島城西高 1-1(PK3-2)鹿児島実高 鴨池陸]

 守護神のPKストップには、本人の自信と周囲からの信頼が込められていた。

 第96回全国高校サッカー選手権鹿児島県予選は11日、鴨池陸上競技場で準決勝2試合を行い、第2試合は鹿児島城西高がPK戦で鹿児島実高を破って4連覇に王手をかけた。直接FKで先制された後、セットプレーで同点に追いつく一進一退の攻防で、どちらが勝ってもおかしくない試合だった。

 PK戦で魅せたのは、鹿児島城西のGK泉森涼太(3年)だった。先攻の鹿児島城西は、味方が1本止められ、相手が2本を外して迎えた5本目。これを決めれば勝ちという条件を手に入れたが、5人目が失敗してしまう。後攻の鹿児島実の5人目は、同校の中心選手であり、直接FKで先制点を決めたMF峰松朋哉(3年)主将。PK戦は、サドンデスに突入するかと思われた。しかし、泉森は、左の低いコースを横っ跳びでセーブ。PK3-2で熱戦にピリオドを打った。

 FKの借りを返すような形で止めた泉森は「セットプレーで決められたことは課題だけど、その相手がキッカーだということは意識していなかった。ただ1本止められて良かった。(味方の5人目が失敗したけど)外したから見せ場になった。自分が止めれば良いと思っていた。相手の身体の動きを見て最終判断をした」と平常心で臨んだことを強調した。

 泉森は、昨年度の全国高校選手権に出場し、2回戦の長崎総合科学大附高戦でもU-18日本代表FW安藤瑞季(3年)が蹴った1本目をセーブして勝利に貢献している。

 この日、CBで先発し、途中からFWを務めた大脇瑞城(3年)は、PK戦で3人目のキッカーを務めて失敗したが「自分は外してしまったけど、涼太が止めてくれると信じていた。去年の選手権でも止めてくれたし、自分たちは涼太を信じています。普段の練習でも結構止めてくれます」と守護神に託していた気持ちを明かした。

 主将のDF生駒仁(3年)も「昨年の選手権で止めてくれた」と話したように大舞台での活躍が印象深く、仲間たちは「外しても止めてくれる」と信頼してキックに臨んでいたようだ。

 泉森自身は「昨年の全国大会は自信があったけど、最近の練習ではPKを止められていなかった。自信がなくなったわけではなかったけど、今日でまた自信がついたかなと思う」と1年前のイメージが消えかかっていたようだが、またも土壇場で勝負強さを示した。翌12日には、神村学園高との決勝戦に臨む。泉森は「明日が最後の試合にならないように、全力で戦いたい」と気合いを込めた。

(取材・文 平野貴也)
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