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[MOM2407]流通経済大柏FW加藤蓮(3年)_「自分のゴールなのに…」と一時落胆も、記録訂正で決勝弾認定!

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決勝点を決めた流通経済大柏高FW加藤蓮(3年)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.3 全国高校選手権3回戦 日章学園高0-1流通経済大柏高 フクアリ]

 得点への強い想いは、記録員にも届いたようだ。流通経済大柏高FW加藤蓮(3年)はスコアレスで迎えた後半27分、MF菊地泰智(3年)のクロスを左足で押し込み、歓喜の雄叫びをあげた。ところが、会場アナウンスは「オウンゴール」。試合後の囲み取材で「自分のゴールなのに納得いかない」と苦笑いを見せたが、後に公式記録が訂正され、正式にゴールが認められた。

 初戦となった2回戦の大分西高戦でチームの3点目を挙げた加藤だったが、この日はベンチスタート。ようやく出番が訪れたのは後半7分、最初は左サイドハーフとしてピッチに立った。「試合がバタバタしているので、チームを落ち着かせること。そして、チームを勝たせること」。そんな狙いを持って入った背番号9は同12分、布陣変更により、本職である最前線の位置についた。

 プレースタイルとしては「一発で裏に抜け出して、相手のラインを下げるか、そのままゴールを決める」という突貫系ストライカー。この日は試合状況を考えて「収めて、タメを作って、試合の流れを作る」という狙いを持っていたが、やはり勝負を分けたのは自らの持ち味だった。

 後半27分、左サイドで獲得したFKをDF近藤立都(3年)がクイックスタートで縦に出すと、打ち合わせていたかのように走り出した菊地がドリブルで抜け出す。ゴールライン付近までえぐってからのクロスに対し、加藤は持ち味の力強さを生かして一気に突進。DFと共にゴールへなだれ込む形になったものの、ボールに触れた感覚は自らの左足にしっかりと残っていた。

「点に関わることができて、自分の役割は担えたと思う」。当初の記録はオウンゴールとなっていたため、取材陣への言葉には複雑な感情が垣間見えた。もちろん本音は「納得いかない」というもの。“アシスト”の菊地は「さっきめっちゃキレてました(笑)」と、ロッカーでの様子を明かしてくれた。

 紆余曲折はあったが、これで2試合連発。「スタメンで出たいですけど、いまは1点を決めて1-0で勝つという役割。途中から入った時は分かりやすくてやりやすい」。先発かそうでないかよりも、ゴールにこだわりを持つストライカーにとっては、何よりうれしい結果となった。

 準々決勝の相手は、優勝を果たした夏の総体でも対戦した長崎総合科学大附高。当時は2-1で競り勝ったが、「唯一、失点してしまったチーム」と警戒は欠かさない。「ここから容易に勝てることはないので気を引き締めて、チームの役割をゴールでこなせるように頑張りたい」と、狙うは3戦連発だ。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 竹内達也)

●【特設】高校選手権2017

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