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献身と鉄壁守備の大阪学院が履正社撃破!全5試合無失点で11年ぶりの大阪決勝進出!

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前半11分、大阪学院大高の左SB笹岡颯太(右)が先制ゴール

[11.11 選手権大阪府予選準決勝 大阪学院大高 2-0 履正社高 金鳥スタ]

 鉄壁守備の大阪学院が初Vに王手! 第97回全国高校サッカー選手権大阪府予選準決勝が11日に行われ、初優勝を狙う大阪学院大高と4年ぶりの全国出場を目指す履正社高との一戦は、左SB笹岡颯太(3年)と10番MF田中英哲(3年)のゴールによって、2-0で大阪学院が勝った。07年度以来11年ぶりの決勝進出を果たした大阪学院は、17日の決勝で選手権初出場を懸けて東海大仰星高と戦う。

 小野原明男監督が「今年のチームは守備のところが、全員で献身的に身体を張ることができる。失点がかなり少ないチーム。(インターハイに出場した16年や昨年と比べても)守備は一番です」と説明する大阪学院は、準々決勝までの全4試合無失点。府1部リーグ18試合でわずか10失点という堅守を誇るチームはこの日、個々の力がある履正社に対し、組織的に距離間良く守り、個々が献身的に戦い抜いて再び無失点勝利を収めた。

 大阪学院は守備に自信を持っている一方、小野原監督が「相当体力のある選手。チームへの貢献度は凄く高い」と評するFW大垣光平(3年)に当てて、そこから巧みな身のこなしを見せるMF原聖悟(3年)や田中が仕掛ける攻撃も有効だった。前半11分には敵陣でこぼれ球を拾った笹岡が、「インターセプトを前で狙っていた。トラップしたらドフリーでしたし、開始すぐでシュートで終わろうと思って思い切り振り抜きました」と右足ミドルにチャレンジ。これが素晴らしい軌道を描いてゴールネットに突き刺さり、大阪学院がリードを奪った。

「強気にシュートを打って行こう」というテーマを実践し、果敢に放った笹岡のファインゴール。対して、DFラインから丁寧にボールを繋ぐ履正社は、大きな展開も多用しながら反撃する。そして、25分には右サイドをスプリントしたSB作田龍太郎(3年)のクロスがFW榮龍生(2年)に入り、36分にはFW小松海樹(3年)の展開からSB松田泰生(3年)が左サイドで1人かわして得意の左足クロスを入れる。これをフリーの榮が頭で合わせたが、シュートを枠上に外してしまう。

 大阪学院は、注目GK梅田陸空(3年)が抜群の身体能力の高さを活かしてゴール前に入ってくるクロスに対応。また、カバーリングで健闘していたCB山本奏楽(3年)とCB渡健大(3年)、献身的に相手選手に食らいついていたMF山田力也主将(3年)らが集中した守りを続ける。

 後半、履正社はMF赤井瞭太(1年)やMF笹尾拓斗(2年)が相手DFの間に入ってボールを受け、バイタルエリアやサイドを崩しにかかる。だが、ボールこそ動いていたものの、戻りの速い大阪学院の前に侵入して行くことができず、最後の局面でのミスもあった。選手交代やCB水口湧斗主将(3年)を前線に上げてのパワープレーも活かすことができず。平野直樹監督が「苦しい時に人任せにしている」と指摘したように、課題となっていた逆境を跳ね返す力を発揮できなかった。

 逆に大阪学院は39分、カウンターから左サイドへ攻め込み、カットインした原が右足シュート。これは履正社GK岩本凱聖(2年)にファインセーブされたが、こぼれ球を田中が押し込んで勝負を決定づけた。このまま試合終了。準々決勝でインターハイ予選優勝校の関西大北陽高を破った大阪学院が、プリンスリーグ勢の履正社も下して決勝へ駒を進めた。

 大阪学院の山田は白星を引き寄せた要因について、「80分全員で集中して、最後シュートのところで身体を張ったり、全員で粘り強くやれたと思います。全員で走って、全員でハードワークしてやれていると思います」とコメント。そして笹岡は「ここまで来たら決勝も勝って全国に出たいです。決勝ではDFライン、チーム一丸となって無失点で抑えて、あとは得点して勝ちたいです」と誓った。

 07年以来となる決勝進出。PK戦で敗退した昨年やその前の世代の無念も知る選手たちが、その思いも背負って戦い、211校・210チームが争った激戦区・大阪の頂点に立つ。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2018

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