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「勝ちたかったです」。埼玉決勝敗退の川崎F内定ボランチ、昌平MF原田は成長へのきっかけに

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川崎F内定ボランチ、昌平高MF原田虹輝はこの敗戦を成長のきっかけに

[11.18 選手権埼玉県予選決勝 昌平高 1-2 浦和南高 埼玉]

 選手権に出場していれば、最も注目されていたかもしれないボランチは埼玉県予選決勝で姿を消した。

 昌平高MF原田虹輝(3年)は、J1連覇中の川崎Fに来季から加入することが内定しているゲームメーカー。川崎Fの向島建スカウトが「チームに影響力を与える選手。先先を見ている。一個出すふりしてここに出すという感覚が面白い」と評する原田は前半、タメを作ったり、サイドへの展開をしたりして攻撃の起点になりつつ、ドリブルでわずかに空いたスペースを突くなど持ち味を発揮していく。
 
 だが、互いにロングボールが増える中で思うようにボールを落ちつかせることができない。また、浦和南高のMF鹿又耕作主将(3年)は「原田と知り合いがいて特長聞いて対策をしていました。一人では止められないので、人数を掛けて止めようと話していました。正面に立つと自分でドリブルしないで止まってくれると言っていたのでそれは意識していました」と説明していたが、相手に前方を塞がれたこともあって原田は十分にペースを握れなかった。

 加えて、原田は「もっとセカンド(ボール)拾う意識があれば。後半はボール握る時間が少なかったので、相手のペースになってしまった。相手も勢いに乗って来る中で受け身になってしまった。前半から決めておくとか最後の局面でやらせないとかちょっとしたところが差になってしまった」と残念がる。これまで苦しい試合でチームを勝たせるようなプレーをしていた原田は決勝でも精度、技術力を見せていたものの、より違いを示してチームを全国に導くことはできなかった。

「勝ちたかったです」と唇を噛んだ原田に対し、藤島崇之監督は「彼自身も成長しなければいけないというきっかけになると思います」と語っていた。チームの結果が出ない時期にシュート意識を高めて存在感を増すなど、この1年間で大きく飛躍し、プロ入りを勝ち取ったMFの本当の勝負はこれから。この悔しさをきっかけにプロのステージで飛躍を遂げる。

 原田は昌平で過ごしてきた3年間について、「1年生からやり続けて技術はかなり身についたかなと思います。ここに来て正解だったと思います」。最高学年で選手権に出場することはできなかったが、将来、必ずプロで結果を残して恩返しする。

(取材・文 吉田太郎)
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