beacon

指揮官の信頼に応えた背番号10…尚志MF伊藤綾汰、投入8分後に先制弾

このエントリーをはてなブックマークに追加

尚志高(福島)FW伊藤綾汰(3年)

[12.31 選手権1回戦 尚志1-1(PK5-3)神村学園 NACK]

 出場からわずか8分後、ナンバー10は大仕事をやってのけた――。

 ベンチスタートとなった尚志高(福島)FW伊藤綾汰(3年)だったが、チームを率いる仲村浩二監督には明確な狙いがあった。「最初は守備をしないといけないので、二瓶(由嵩)でしっかり行こうとした。彼は守備がうまいので、彼を中心に軸を作った」とまずは失点をせずに試合を運ぼうとした。そして、「伊藤で後半は行こうと決めていた」と勝負所で背番号10を背負う伊藤をピッチへと送り込んだ。

 0-0で迎えた後半7分、MF吉田泰授(3年)と交代して投入された伊藤は、「自分が点を取って勝つこと」を意識してピッチに向かうと、いきなり有言実行となる結果を残す。同15分、DF沼田皇海(3年)が蹴り出したCKはジャンプしたGK坂ノ下陸(3年)にキャッチされたと思われたが、ファンブルしたボールがゴール前にこぼれる。「一瞬、見失ったけど、パッとボールが見えたので足を出した」といち早く反応した伊藤が左足で触れると、ボールはゴールマウスへと収まって値千金の先制ゴールが生まれた。

 指揮官は「1点取ってほしかったところできっちり取ってくれた。積極的なシュートも良かったし、あれでリズムを作れた」と称賛。本人も当然「スタートから試合に出るのが理想」と口にしながらも、「でも、チームのためになるならサブでもしっかり準備をしたい」と2回戦以降もチームの勝利のために最高の準備を進めていく。

(取材・文 折戸岳彦)

●【特設】高校選手権2018

TOP