beacon

[MOM2772]丸岡MF川中浩夢(1年)_父と同じ“丸岡の背番号14”を背に値千金の決勝ゴール!

このエントリーをはてなブックマークに追加

途中出場で決勝点を決めたMF川中浩夢(写真協力『高校サッカー年鑑』)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.2 全国高校選手権2回戦 米子北0-1丸岡 駒沢]

 劣勢の予想を覆したのは丸岡高(福井)の1年生、MF川中浩夢だった。

 米子北高(鳥取)を相手に守備がハマっている時間帯、流れがどっちつかずの後半12分にピッチに投入された。「監督からは『風上だからシュートを狙っていけ。縦を狙ってクロスの起点になれ』と言われました」。それから13分後の後半25分、その場面はきた。

 右サイドからMF馬場脩介(3年)が山なりのクロス。MF宮永任(3年)が相手DFと競って潰れ役となり、その後ろに走り込んだ川中がきれいに右足で合わせてゴール。「狙い通りです。サイドから中に入れてくれるのは分かっていました。そして自分の前にスペースがあったので飛び込むだけでした。“きた!”と思いましたね」と微笑む。

 生まれたのは地元の丸岡町。父も丸岡高で選手権に出場し、3ゴールを記録したという。その時の背番号が14。「(小阪)先生が分かっていてつけさせてくれたのだと思います」と、父と同じ14番を背負い、選手権にやってきた。父からは今回の選手権出場に向けて、特別に言葉をかけてもらったわけではない。だが、小学校の時に所属いていた平章SSSでは監督の父からいくつものアドバイスを受けて成長してきた。

「生まれたのが丸岡で、全国で勝てるチームに行きたいと思っていました。まだ1年生ですから恐れるものはない。途中から入ることが多く、流れを変えることが求められていると思います。今日のようにシュートや縦を意識してチームを勝たせることができるようにしていきたいです」

 そしてゆくゆくは「父を超えたい」という川中。その第1歩となる選手権初ゴール。お父さんにかける言葉は?と聞くと照れた様子でしばらく間があった後、「ありがとう、と言いたいです」。まずは親孝行が先だったようだ。

(取材・文/伊藤亮)
●【特設】高校選手権2018

TOP