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[MOM2796]尚志MF大川健(3年)_凛として主将「責任が自分を成長させてくれた」

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相手の攻撃を跳ね返し続けた尚志の主将MF大川健

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.5 全国高校選手権準々決勝 尚志1-0帝京長岡 等々力]

 7年ぶりの選手権準決勝進出、会場が埼玉スタジアムになってからは初となるベスト4入りが懸かった尚志高(福島)。しかし、チームは苦しい台所事情を抱えていた。

 前大会王者・前橋育英との3回戦の終了間際に、センターバックのDF黒澤誓哉(3年)がこの大会2度目の警告を受ける。大会前にCB馬目裕也(3年)も負傷している中、帝京長岡高(新潟)との準々決勝を前に、仲村浩二監督は苦しい戦いを強いられていた。

 そして、帝京長岡戦でDFフォファナ・マリック(3年)とCBを組んだのは、本来はボランチの主将MF大川健(3年)だった。「タケはどこでもできるプレイヤー」とマリックが評するも、本人はやはり「むずかしい部分ももちろんあった」とCBでの80分間を回想する。それでも3試合で10得点と攻撃力のある帝京長岡をシャットアウト。「マリック、GK、サイドバックとよく声をかけながらできた」と無失点に胸をなでおろした。「ボランチやりたいのはもちろんあるんですけど、CBを任されたので、チームのために」。いち選手としての想いよりも、キャプテン然とした態度を貫いた。

 1-0で勝利し、2011年度以来となる選手権4強。尚志は12月中旬に行われたプレミアリーグプレーオフで、立正大淞南、横浜FMユースを破り、2011シーズン以来となるプレミアリーグ昇格を果たしており、充実の1か月を送っている。「勝ちぐせというか、そういのがついてきた実感もありますし、苦しい時間もマイナスの声ではなくプラスの声が増えてきた」。大川はチームの成長に手応えを感じている。

 長谷部誠(フランクフルト)を想起させるほど、凛々しく受け答えをするその姿は、ピッチ外での意識の高さに秘訣があった。「自分ができないと周りの人はやらないのは事実なので。自分が常に寮生活の中でも見本になるような生活を心がけて。グラウンドでも自分が一番練習に対してアツい気持ちを持ってないといけないと思うので、責任が出てその責任が自分を成長させてくれたのだと思います」。4強の壁を破り、そして、頂点に立って歴史に名を刻めるかーー。12日の準決勝では青森山田と激突する。

(取材・文 奥山典幸)

●【特設】高校選手権2018

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