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神戸弘陵は8強届かず。“雑草魂”のC大阪内定CB田平は5失点敗戦も力に

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神戸弘陵高CB田平起也はこの敗戦も力に変える

[1.3 選手権3回戦 帝京長岡高 5-0 神戸弘陵高 等々力]

 93年度以来となる8強入りには届かなかった。神戸弘陵高(兵庫)は幾度かあった勝機を逸したことが響き、悔しい敗戦。前半は相手のプレッシャーを剥がしてボールを繋ぎ、中盤やサイド、相手の背後を活用した攻撃を見せた。そしてクロスを上げ切っていたほか、MF兼田拓実(3年)が切り返しから放った左足シュートや、MF田中魁人(2年)の右足ミドルなどでゴールに迫る。

 チャンスを作りながらも、前半はゴール前で粘り強く守られて得点できなかった。だが、守備面では帝京長岡高の得意とする局面の崩しに対応。また、188cmCB田平起也(3年/C大阪内定)やCB竹内悠力(3年)がゴール前に入って来るボールを確実に跳ね返すなど、相手以上の内容で前半を終えた。

 後半はギアを上げてきた相手に先制を許すなど、15分までに2失点。反撃する神戸弘陵は、28分にMF沖吉大夢主将(3年)のスルーパスからMF徳弘匠(2年)が抜け出してGKをかわす。だが、シュートはわずかに枠外へ。直後のFKのチャンスも活かせなかった。ここで1点を返していれば終盤への期待も高まったが、逆に突き放されて0-5で敗戦。選手たちは肩を落とすしかなかった。

 C大阪入りする大型CB田平について、対峙した帝京長岡FW矢尾板岳斗(3年)は「そんなに速くないけれど、足が長くて、自分が行けるタイミングで出てきてクロスとかボールが当たるシーンがあった。凄く良い選手だと思いました」と評し、FW晴山岬(3年)も「一回チャンスあって止められてしまったのが自分の心残り。あそこは彼にもプライドがあったと思いますし、その中でバチバチやれた。お互い成長できた」とJ内定選手同士のマッチアップについての感想を口にしていた。

 田平も晴山とのマッチアップについて「楽しかった」とコメント。0-5で負けた借りは「プロで返します」と誓っていた。C大阪U-18に昇格できず、神戸弘陵でコツコツと成長して“古巣”からのプロ入りを勝ち取った“努力のCB”田平は、この敗戦、晴山に許した3ゴールも力に変え、プロのステージで下から這い上がる。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2019

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