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開始早々のリードを守りきり、専修大北上が連覇へあと1勝:岩手

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開始1分の先制ゴールに喜ぶ専修大北上高FW佐藤裕翔(右から4番目、20番)

[11.1 選手権岩手県予選準決勝 専修大北上高 1-0 盛岡市立高 いわぎんB]

 第99回全国高校サッカー選手権岩手県予選準決勝が1日、いわぎんスタジアムBグラウンドで行われ、第1試合は今大会2連覇を目指す専修大北上高と、盛岡市立高が対戦。専修大北上が開始早々のゴールで奪ったリードを守りきって1-0で勝利し、決勝へと駒を進めた。

 開始早々前半1分、専大北上は攻勢に出た。DF菅原拓真(3年)が右サイドを駆け上がり、グラウンダーのクロスを上げる。ゴール前で待ち受けていたFW佐藤裕翔(2年)は「相手に倒されていたのですが、そこにボールが転がってきたので、足を振り抜きました」と倒れ込みながら右足で放ったシュートがゴールへと吸い込まれた。「入りから積極的に行こうと思って調子良く打ったら入りました」という2年生ストライカーのゴールで専大北上が幸先良く先制した。

 その後も専大北上はボールを支配するが、次第に盛岡市立がカウンター攻撃やセットプレーで反撃に出る。前半21分、右SBに入ったキャプテン石田斗眞(3年)のクロスから、左SH寺崎湧(3年)がヘディングシュートを放つが枠をそれた。前半35分には混戦からのこぼれ球を拾った寺﨑が再びシュートを放つが、これは専大北上GK及川康生(2年)がパンチングで防いだ。前半は専修大北上シュート6本に対し、盛岡市立も5本のシュートを放つ健闘を見せ、1点差で後半へ折り返した。

 後半は専大北上が相手陣内でボールをしっかりつなぎ、相手にプレッシャーをかけたことで、盛岡市立は前半のようにカウンターやセットプレーで決定機を生み出せなくなった。専大北上・小原昭弘監督は「後半は風下でしたし、合わせられると嫌だと思いました。後半は高い位置でボールを動かそうと言いました。後半は奪われても高い位置だったので、また奪い返すことができました」とハーフタイムでの修正の成果を語り、盛岡市立佐々木到監督は「相手の圧が厳しかった」と後半思うようにいかなかったことを悔やんだ。

「2、3点目が取れていればもっと違う展開だった」と小原監督が振り返る通り、追加点が奪えない苦しさはあったが、専大北上はDF岩渕蓮也(3年)を中心に最後まで守備の集中を切らさず、1-0で試合終了。2年連続決勝へと駒を進めた。

 連覇のかかった専大北上だったが、小原監督によると「夏は惨敗続き」だったという。そこでDF鎌田悠生(2年)をボランチに上げ、その他の2年生もリーグ戦を通じて成長を見せたことで、チームが出来上がっていった。「今年はなかなかボールを動かせず、公式戦の試合数も少なくうまくやりたいことがやれるようにならないのですが、決勝はボールを動かす自分たちらしいサッカーをしたい」と、決勝・遠野高戦に対し、積み上げてきたショートパスをつなぎ相手を崩すサッカーを見せようとしている。

 健闘及ばず敗れた盛岡市立の佐々木監督は「選手は出し切ったと思いますし、よく頑張りました」と奮闘した選手を称えた。「リーグ戦は1-8で負けていたので今日こそは勝ちたいと思って試合に臨みました」というキャプテン・石田の思いはチーム全員が共有できており、「全員で優勝を狙って、全員で声を掛け合いましたが、勝てませんでした」と、チームで全力を尽くしたことは手応えとして残った。リーグで大敗した相手に善戦できたことは一つの成果と言えるだろう。

(取材・文 小林健志)
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