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[MOM3269]新潟明訓DF竹内豊(3年)_先制弾、そして完封…“全員攻撃、全員守備”の体現へ

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先制点を決めた新潟明訓高DF竹内豊(3年)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.3 選手権新潟県予選準決勝 新潟明訓高 2-0 開志学園JSC高 長岡ニュータウン運動公園]

 大きな、大きな1点だった。一進一退の攻防から先制点となるヘディングシュートを突き刺したのは、新潟明訓高の主将を務めるDF竹内豊(3年)だった。第99回全国高校サッカー選手権の新潟県大会準決勝、後半13分に左CKをニアサイドで合わせた。

 竹内は「前半に何度かあった決定機を決めきれずにいたので、絶対に決めてやるという気持ちで(ボールの軌道に)入りました。うまくたたきつけられたので、良かったです。少しはチームを楽にすることができたかなと思います」と笑顔を見せて、得点場面を振り返った。その後、ピンチはあったが、明らかに焦りが見え始めた相手の攻撃は、より単調になっていった。チームを元気づける、値千金の先制弾だった。

 竹内の貢献は、攻撃面だけではない。CBとして後方あるいはサイドからロングボールを送り込んでくる開志JSC高の攻撃を、守備の中心となって跳ね返し続けた。183cmの長身を生かして、空中戦で競り合い、カバーリング、こぼれ球の回収とチームを助けた。

 こだわっていたのは、無失点での勝利だった。初戦となった3回戦は、新潟東高校に7-1と大勝したが失点。4回戦は、開志国際高を延長戦の末に3-2で破り、準々決勝は5-1で新潟南高に勝利。いずれも複数得点を決めてきているが、失点が付いて回った。竹内は「後ろの選手として、気になっていた。今日、無失点で抑えられて嬉しい。(追加点を奪った後に)絶対に無失点で終わらせるぞ、気を抜くなと声をかけ続けていました」とチームが2点目を奪った後も警戒状態を解くことなく、最終ラインを引き締め、今大会初めて無失点で試合を終えることに成功した。

 苦しい時間は壁となって相手の攻撃を跳ね返し、好機をきっちりと物にした。攻守両面で見せた竹内の活躍には、坂本和也監督は「4人の最終ラインとGKが相手のパワープレーを跳ね返してくれた。連続したセットプレーも我慢強くやってくれて、頼もしかった。『全員攻撃、全員守備』をチームとして掲げる中、キャプテンは、先制点も取って、それを具現化してくれた。こういう選手が決めてくれると、チームに勢いがつきます」と称賛を惜しまなかった。

 次戦は、7日に行われる決勝戦。竹内は、特別な相手との対戦を迎える。竹内は、長岡ジュニアユースFCの出身。長岡JYFCは、次の対戦相手となる帝京長岡高の兄弟チームで、同じスタッフが同じグラウンドで指導している。相手には、かつてのチームメートや恩師が多くいるのだ。長岡JYFCでは主力だったが、文武両道を目指し、より勉学にも力を注ぐために進学校である新潟明訓を選んだ。竹内は「絶対に帝京長岡を倒そうという決意を持って、進学してきました。絶対に勝って全国に行けるように、明日からの練習も集中して臨みたいです」と言葉に力を込めた。同じように、同世代でFW反町太郎、MF藤田梢紘、DF内藤大翔が長岡JYFCから新潟明訓へと進んでおり、因縁深い対戦となる。互いに攻撃力が持ち味。竹内を中心とした守備陣の活躍が、勝敗のカギを握る。

(取材・文 平野貴也)
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