beacon

[MOM3277]神村学園FW福田師王(1年)_頭部カットも「自分に負けたくない」。圧巻ヘッドでゴール

このエントリーをはてなブックマークに追加

後半10分、神村学園高FW福田師王が頭でゴール

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.5 選手権鹿児島県予選準々決勝 神村学園高 3-1 鳳凰高 桷志田サッカー競技場]

 憧れのFW岡崎慎司(ウエスカ)のように怯まず戦い、決めたゴールだった。神村学園高のU-17日本代表FW福田師王(1年)は前半終了間際に相手との接触プレーで頭部をカット。だが、「自分に負けたくないな、と。あとFWとして点決めないまま代わるよりも、点決めて代わりたかったので(プレー続行を監督の)有村先生に言って」テーピングテープで止血して後半のピッチに戻ってきた。

 その福田は後半7分、左クロスに反応すると圧巻の高さからヘディングシュート。競ったDFの頭一つ上の打点から撃ち込んだヘッドはGKのファインセーブに阻まれたが、直後の10分に再び左クロスから「自分に負けずに」ヘディングシュートを狙う。

 福田は、このシーンでも有村圭一郎監督が「(身長は176cmほどだが)バネが恐ろしくある。滞空時間が長いです。あんな選手なかなかいないです」と舌を巻く跳躍力を披露。いち早く落下点に入って跳躍すると、DFの遥か頭上、GKが伸ばした手を上回るような位置からヘディングシュートを放つ。ボールはゆっくりとゴールに吸い込まれ、貴重な追加点となった。

 跳躍力向上のために、チューブトレーニングを継続。より高い打点で合わせることを目指してきたという福田は、その成果と怪我しても怯まない気持ちの強さでゴールをもぎ取って見せた。相手の中央の守りが堅いため、先輩たちにクロスを要求。そしてしっかり決めるところも大物感がある。

 福田はこの後も鋭くDFの前に潜り込んで局面を打開し、決定的な左足シュート。個で相手の守りをこじ開ける力を示し、チームに推進力をもたらした。本人は「まだまだです。シュートまで行けているんですけれども決め切るというところがまだできていないので。もっとボールを受けたいし、FWとしての仕事をしたかったですね。もっともっと個人としてレベルアップして、必要とされる選手になっていきたいです」と反省する。今後、より厳しい戦いの中、1本で仕留める力、チームを勝たせる力を身につけなければならない。

「ずっと岡崎慎司選手に憧れていたので」と語る福田は準決勝、決勝へ向けて、「出ていない3年生もいるので、その思いも持ちながら、命を懸けて戦いたいです。絶対に優勝します。全国大会でも上位に行って3年生と一日でも長くサッカーをします」ときっぱり。先輩たちのためにもゴールを決め続け、今冬、「神村の福田師王」の名を全国に知らしめる。

後半10分、神村学園高FW福田師王が頭でゴール


(取材・文 吉田太郎)
▼関連リンク
●【特設】高校選手権2020

TOP