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「勢いもたらす」「やってくれるかなと」。青森山田はセカンドチームの主将・MF内間が県決勝でゴール!!

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後半36分、“セカンドのキャプテン”MF内間隼介のゴールをCB藤原優大主将(5番)ら青森山田高イレブンが喜ぶ

[11.8 選手権青森県予選決勝 青森山田高 3-0 八戸学院野辺地西高 カクヒログループアスレチックスタジアム]

 選手権青森県予選決勝を3-0で制し、24連覇を達成。その青森山田高が、最も盛り上がったのは、後半36分の3点目のシーンだった。右CKのこぼれ球をCB秋元琉星(3年)が粘ってキープすると、最後は投入されたばかりのMF内間隼介(3年)が右足でゴール。内間が両手を広げて走り出すと、咆哮するCB藤原優大主将(3年)やチームメートたちが満面の笑顔で背番号16に駆け寄った。

 大興奮のチームメートから祝福された内間はその後、黒田剛監督とハイタッチ。そして今年セカンドチームの指揮を執っていた正木昌宣コーチと歓喜の抱擁をして、ゴールの喜びを噛み締めていた。

「出たら何かしないといけないですし、監督や正木さんも何か変化させて欲しいから出してくれたと思うので、それが最後CKのセカンドで秋元がしっかり身体で繋げてくれて、自分はあと押し込むだけだったので本当に決めれて嬉しかったです」

 もちろん、先発で出たかったという気持ちはある。それ以上に起用してくれたコーチ陣の期待に何とか応えたいという思いがあった。その秘めた思いを1分前の交代出場直後、ファーストタッチでのゴールで表現。「信じて使ってくれた監督や正木さんの期待に応えられて良かったです」と頷いていた。

 内間は昨年度の選手権登録メンバー。最上級生となった今年は主力になることを目指していたが、課題もありファーストチームの先発を確保することができていない。スーパープリンスリーグ東北のファーストチームでの出場時間は3分間。同リーグに参戦したセカンドチームのキャプテンという役割だった。

 それでも、現状の自分の実力を理解し、ファーストチームで出番を勝ち取ることを目指してアピール。セカンドチームをBブロック優勝へ導き、ファーストチームと対戦した“歴史的な”優勝決定戦でも奮闘した。まだファーストチームでのレギュラーを勝ち取るまでは至っていないが、彼の取り組みをチームメート、コーチ陣も知っているからこそ県決勝でのゴールを喜んだ。

 藤原は「スタメンに食い込んでいこうという気持ちや、『オレがやってやる』という気持ちも試合前から内間の口からも聞けたので『やってくれるかな』と思っていました」と微笑む。

 また黒田監督は、「日頃頑張ってる子だし、真面目に、誠実にやっている子なのでみんなが使ってあげたいと思うし、(負傷から復帰した)ナベルもそう。陰で支えてくれたセカンドチームのキャプテンがこういうところで結果を出すということは、チームにも勢いをもたらすと思うし、ありがたい」と挫けずに努力を続けてきたMFのゴールを讃えていた。

 内間は、セカンドチームの主将を務めたことでチームを引っ張ることや、チームを良い方向へ向かわせることの難しさを感じたという。だからこそ、ファーストチームの主将である藤原に頼るのではなく、「自分もそうやって引っ張る一員だということを証明したいなと思います」と力を込める。

 この日は取り組みを認められての出場、ゴール。だが、満足はしていない。全国大会へ向けて課題を改善し、後輩MF小原由敬(2年)に譲っている左MFのポジションを奪い取ることが大きな目標だ。そして、「全国優勝を目標にして、しっかり貢献できるようなプレーをしていきたいと思います」。どのような立場でもチームを引っ張る構え。この日、青森山田を勢いづけた“セカンドのキャプテン”が全国大会で日本一に貢献する。

後半36分、青森山田高MF内間隼介(16番)が右足でゴール

(取材・文 吉田太郎)
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