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決勝進出も笑顔なし…大分の福島内定FW堤聖司「決勝で悔しさを全部晴らしたい」

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大分高FW堤聖司(3年)

[11.7 選手権大分県予選準決勝 大分西高0-1大分高 大分スポーツ公園サッカー場A]

 3年連続の決勝進出を告げるホイッスルが鳴っても、大分高のエースから笑顔は見られなかった。来季の福島ユナイテッドFC加入が内定しているFW堤聖司(3年)はこの日、PKを含む決定機2本をいずれも外して無得点。「決勝で今日の悔しさを全部晴らしたい」と決意を語った。

「あの子が決めれば勝つし、決められなければ勝つのが難しい」(小野正和監督)。堤は指揮官が太鼓判を押す絶対的エース。昨季までの2連覇を牽引していた選手たちが卒業し、今季は新たな堅守速攻スタイルにもチャレンジしている中、前線でフィジカルを生かしてボールを収められる背番号10にかかる期待は大きい。

 それでもこの日は、思ったような活躍ができなかった。チームは序盤のセットプレーで先制に成功した中、堤は濡れたピッチの重さにも苦しみ自慢の馬力を発揮できず。後半17分、自らのプレッシングで奪って迎えた決定機ではシュートをふかし、32分に訪れたPKのチャンスではクロスバーに当ててしまうなど、準決勝の舞台で課題を突きつけられる形となった。

「本当にあれがプロ?とは言われたくないし、プレッシャーというのは常に感じている。今日のは周りから見ていて、あれがプロ?と思われるようなプレーしかしていなかった。そこでさすがと言わせられるようなプレーを決勝でしていきたい」。苦しい内心を明かした堤は、決勝でのリベンジを誓う。

 すでにプロ入りが決まっている堤だが、全国の舞台は自身のスキルアップにつながる絶好の機会となる。昨年度は4強入りを果たした矢板中央高に初戦で敗れたが、「経験したことのないディフェンスだった。競るタイミングも向こうが早いし、向こうのほうがでかい。腕で抑えようとしてもできなかった」と課題を痛感するきっかけとなったからだ。

 だからこそ、再び全国への切符を掴み取らなければならない。決勝の相手である日本文理大附高にも絶対的エースのFW垣内太陽(3年)が君臨しており、今大会での得点は相手が一つ多い14点。ライバル意識を燃やす堤は「得点王も意識しているし、相手より点を取ればチームも自分も勝てる。決勝で点を取って勝ちたい」と必勝を誓った。

(取材・文 竹内達也)
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