[1.5 選手権準々決勝 山梨学院高 1-0 昌平高 フクアリ]

　Jリーグ内定4選手を擁し、大会前から注目を集めた昌平高(埼玉)は2大会連続の準々決勝敗退に終わり、初のベスト4進出はならなかった。

　立ち上がりの前半7分にセットプレーから失点。MF須藤直輝主将(3年、鹿島内定)が「セットプレーが強いのは分かっていたけど、それで前半に失点してしまった展開はつらかった」と振り返るとおり、警戒していた相手の高さからリードを許した。

　1点ビハインドで折り返した後半は猛攻に出たが、山梨学院の粘り強い守備を崩し切れず、1点が遠い。「後半は自分たちのやりたいサッカーをやろうと思って徐々にリズムが生まれたが、最後の質という課題が残った」。須藤自身、後半30分にチャンスを迎えたが、細かいステップから狙った右足のシュートはGK熊倉匠(3年)の正面。「決めたい、決めるしかないという思いで蹴ったけど、相手の熊倉もうまくて、その壁をはがせなかった。振り返るとすごく悔しい」と唇を噛んだ。

　試合後は後半途中に左足首を痛めて負傷交代していたDF唐木晃(3年)と抱き合いながら涙を流した。大宮ジュニアユース時代からともにプレーしてきた戦友。「6年間一緒にやってきて、オフのときも常に一緒にいた。あいつが(負傷交代で)いなくなったときはあいつの分も頑張ろうと思ったし、もっとあいつとサッカーがしたかった」と声を落とした。

　大会を通して相手に研究もされ、厳しいマークに遭った。それでも「一流の選手はその中でも抜いたり、ゴールを決めたりできる。そこは自分の実力不足だと思うし、その現実を受け止めて、もっともっとうまくならないといけない」と力を込める。悔しさを胸にしまい、卒業後は鹿島に入団する。

「自分のサッカーの幅が広がったし、よりサッカーに夢中になれたというか、サッカーが大好きになった高校」。昌平での3年間をそう振り返った須藤は「この経験はアントラーズに行っても絶対に生きてくるものだと思うし、この経験を絶対に無駄にしちゃいけないと思う。技術のある選手という目で見られると思うので、昌平の良さを兼ね備えて、もっともっと成長していければ」とさらなる飛躍を誓った。

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●【特設】高校選手権2020