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兵庫3連覇狙った神戸弘陵は好勝負演じるも敗退。注目FW田中祉同主将「大事な試合で出せないのが自分自身の甘さ」

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神戸弘陵高FW田中祉同主将は怖さを示していたものの、悔しい敗戦に

[11.3 選手権兵庫県予選準決勝 滝川二高 2-1 神戸弘陵高 三木陸上]

 2年連続選手権ベスト16。兵庫県予選3連覇を狙った神戸弘陵高は、宿敵・滝川二高と好勝負を演じた末、準決勝敗退となった。今年は1年時から2年連続選手権でゴールを決めていたFW田中祉同主将(3年)をはじめ、CB田中百々輝(3年)、CB鞘本嶺(3年)、左SBとしても注目の吉村瑠晟(3年)、MF谷倫太朗(2年)ら攻守に力のある選手たちが並び、県新人戦、県1部リーグで2冠。だが、インターハイ予選に続いて全国切符を勝ち取ることができず、田中祉は「能力があってもここで出せないと意味がないですし、その能力を勝ちに繋げられるかですし、そこらへんで自分たちは出せていなかった」と唇を噛んだ。

 後半、猛攻を繰り広げたものの、追いつくことができず、試合後には涙する選手たちの姿。だが、田中祉は「(コーチ陣から)最後言われたんですけれども、みんな泣いていましたけれども、泣くくらいだったら……。自分自身も(含めて)もっとできたと思います」。余力がなくなるまで力を出し切ることは、できていなかった。

 谷純一監督は「前半は滝二、後半はウチのゲームでした。でも…」。後半は相手に思うような攻撃をさせずに押し込み続け、ゴール前のシーンをより多く作り出した。そして0-2の後半40分にFW竹内悠真(3年)がヘディング弾を決め、1点差。だが、指揮官は前半から優勢に進めなければならなかったことを指摘する。前線の要、FW松隈弘樹(3年)の離脱も影響したか、1-2とした直後にもチャンスはあったものの、今年の公式戦で逆転勝ちがないというチームは勝負強さを発揮できなかった。

 エースFW田中祉は左サイドからの仕掛け、ラストパス、シュートなど怖さはあったものの、「点を取らないと勝てないスポーツなので、怖さがあったとしても点を取れていない自分が一番ダメですし、前を任されている以上、怖さよりも点を取ってチームを勝たす、自分も輝くというのが一番大事だと思うので、怖さはあったかもしれないですけれども、僕自身はそんな働いたとは思っていないです。甘かったというのもあります」と首を振る。

 そして、「僕は10番を背負わせてもらっているので、僕が勝たせないといけなかった。自分自身がずっと任されていた部分なので、こういう大事な試合で出せないのが自分自身の甘さでもありますし、上に行けない理由なのかなと思います」。谷監督も10番により決定機を作り、よりゴールを決め、よりチームを勝利へ導く活躍を求めていた。田中祉はプロで活躍する選手になることが目標。プロ入り内定の高校生アタッカーたちは大事な試合で勝負を左右するようなゴールを決めているだけに、その術を全力で磨く覚悟だ。

 神戸弘陵はプリンスリーグ関西参入戦(11月)に出場。後輩たちが高いレベルで揉まれて成長できるように、自分たちのように悔しい敗戦を経験しないように、必ず勝って後輩たちへの置き土産とする。そして、「勝って、笑顔で終わりたい」(田中祉)。

(取材・文 吉田太郎)
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