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「受け継がれている」粘り強い守備が原動力に。高松商が1-0で24回目の選手権へ!:香川

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優勝を喜ぶ高松商高の選手たち

[11.13 選手権香川県予選決勝 高松商高 1-0 大手前高松高 Pikaraスタジアム]

 第100回全国高校サッカー選手権香川県予選の決勝が13日に行われ、高松商高大手前高松高が対戦。前半33分に生まれたMF與田拓海(3年)のゴールを守り切った高松商が1-0で勝利し、4年ぶり24回目の選手権出場を決めた。

 記念すべき100回大会で香川県代表の座を掴んだのは、県勢最多出場を誇る高松商。原動力となったのは、主将のDF佐藤海七多(3年)が「伝統として受け継がれている」と話す粘り強い守備だ。

 準決勝の四国学院大香川西高戦でも、相手の長所を上手く抑えて1-0で勝利。この日も自陣から丁寧にパスを繋ぎつつ、リスタートからの得点を狙う大手前高松封じを狙った。スタートこそ4-4-2だったが、早い時間帯に3-6-1にシステムを変更。狙いについて、佐藤はこう明かす。「ボールを持たれるのは、想定内。持つ相手に対して、ボールにしっかり行こうと話していた。特に相手の冨家(仁)の所は前を向かさないよう、後ろから声を掛けて、前からドンドン行く意識でやっていました」。

 自陣に持ち込まれても、DF多田優(3年)を中心とした3バックが、大手前高松のエースであるFW大津晋太郎(2年)を囲い込んでシュートまで打たせない。相手のもう一つのストロングポイントであるリスタートに対しても、「香川西に勝ってからの2週間でしっかり準備してきたので、自信を持って守れた」と落ち着いた対応で、次々に跳ね返していく。

 守備でリズムを作る高松商に一つめのチャンスが訪れたのは、前半27分。高い位置でボールを奪ったFW鈴木康生(3年)のスルーパスから、ゴール前を抜け出したMF鍋島愛翔(2年)が右足でゴールを狙ったが、大手前高松GK竹内勇颯(2年)のセービングに阻まれた。31分にも左サイドを突破した佐藤のパスから、MF與田拓海(3年)がゴールを狙ったが、枠の外に逸れた。

 試合を動かしたのは33分。鈴木とDF山内勇聖(3年)のパス交換から、高い位置でスローインを獲得すると、DF浅井七瑠(2年)がゴール前へ。ニアの鈴木が頭で逸らしたボールを與田がダイレクトで合わせて、ゴールネットを揺らした。このゴールの形は、3年前のインターハイで、富山一高から失点したのと同じ形で、川原寅之亮監督は「どこかで活かしたいと思っていた」と話す。

 1-0で迎えた後半も、意思疎通が取れた守備で、大手前高松にシュートまで持ち込ませない。後半13分には、パス回しから冨家にゴール前への侵入を許したが、DF高畑快吏(3年)がスライディングでストップ。また、前半同様にカウンターから相手ゴールに向かう場面も作り、19分には左サイドを抜けたFW杖池秀太(3年)のスルーパスから、與田がゴール前に侵入。切り返しからシュートを放ったが、GKの足に阻まれた。追加点を奪うことこそできなかったものの、結局このままタイムアップを迎え、高松商が勝利した。

 今年の3年生は、「中学生の頃に、高商が全国に出たのを見て、自分も選手権に出たい気持ちが強くなった」と話す與田を筆頭に、前回の選手権出場が入学の決め手になった選手が多い。彼らが全国で躍動する姿を見せる事が出来れば、また高商に憧れる選手が生まれ、これから先のチームに繋がっていく。そうした歴史を積み重ねていくためにも、まずは前回果たせなかった全国大会初戦突破を目指す。

(取材・文 森田将義)
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