[12.31 選手権2回戦 富山一高 0-1 宮崎日大高 フクアリ]

「左足のキックで展開だったり、ゴール意識だったり、シュート、点数にもっと係わっていくところを見せたいです」という2年生レフティーが、仲間も驚く高精度キックで決勝点を演出した。

　後半33分、宮崎日大高は左中間でFKを獲得すると、プレースキッカーのMF芥川蘭丸(2年)が左足を振り抜く。普段ならば直接狙う位置だというが、相手の陣形を見て判断を変更。「最初自分が狙おうと思ったけれど、GKとDFラインの距離が空いていたので、そこに速いボールを入れれば合わせてくれると思った」。美しい軌道を描いたキックにCB外山将大(2年)がフリーで走り込み、頭で決勝点を決めた。

　殊勲の外山が、「得点を決めた時は素直に嬉しかったですし、アシストしてくれた仲間のボールの質の素晴らしさに自分自身もビックリしました」と感動したFKの質。182cmの大型ボランチは得意とする左足で勝負を決定づけた。

　この日は中盤中央で精度を発揮。相手に寄せられている中でも正確にパスを通るなど、才能の一端を示していたが、運動量も、ボールに触れる回数も増やすことができなかった。朝倉大志監督は「本来の力はもっとあると思うので、まだまだ自分の力を出せていなかったと思います」と指摘。本人も勝ったこと、アシストしたことは喜んだが、満足はしていない。

　元水戸FWの南光太総監督も実力を評価する注目株。自身の名をより全国に広めるためも、この後の戦いで自分の力を発揮し、宮崎日大に一つでも多くの白星をもたらす。

(取材・文　吉田太郎)

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