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J内定2人擁する履正社が大阪決勝へ!! “府3部から下剋上”の大阪商大堺に苦戦も完封勝利

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MF小田村優希(3年、背番号8)が決勝ゴール

[11.6 選手権大阪府予選準決勝 履正社高 2-0 大阪商大堺高 ヨドコウ]

 第101回全国高校サッカー選手権大阪府予選は6日、ヨドコウ桜スタジアムで準決勝を行った。第1試合では全国総体ベスト16の履正社高が大阪商大堺高を2-0で下し、2年ぶり4回目の全国出場に王手。決勝戦では興國高と桃山学院高の勝者と対戦する。

 夏のインターハイ大阪王者であり、高円宮杯プレミアリーグWESTでも中位に食い込んでいる優勝争い本命の履正社に対し、大阪府3部リーグからの下剋上で史上初めて府4強にたどり着いた大阪商大堺との一戦。履正社は川崎F内定のMF名願斗哉(3年)、徳島内定のDF西坂斗和(3年)も先発に名を連ねた。

 試合は一方的に履正社がボールを握る展開。立ち上がりにDF加藤日向(3年)のロングスローで相手ゴールを襲うと、その後も左サイドのJクラブ内定コンビやプレミアリーグWEST得点ランキング2位のFW古田和之介(3年)らが絡み、迫力ある攻撃を繰り広げ続けていた。一方の大阪商大堺はマンマークを交えた守備ブロックで対応。特に名願にはDF山中光生、古田にはDF横井元(2年)が積極的にアプローチし、キーマンを封じにかかった。

 それでも履正社は焦らず、安定したビルドアップで相手守備ブロックの出方をうかがうと、敵陣のセットプレーでは名願のキックが脅威に。大阪商大堺がカウンターをもくろむ場面もあったが、FW岸田彰吾(3年)やMF十川能人(3年)の突破に対して加藤やDF東尾大空(3年)が危なげなく対応し、優位を保ったまま試合を進めていった。

 すると前半33分、履正社がついにゴールをこじ開けた。左サイドでボールを受けた名願が振り向きざまのドリブル突破でエリア内を打開すると、折り返しのボールは相手にカットされたが、すぐさまMF川端元(3年)が奪い取って古田が右足シュート。これがGK大川愛翔(3年)を襲い、こぼれ球を誘うと、最後はMF小田村優希(3年)がワンタッチで決め切った。小田村は2回戦の大阪偕星学園高戦、準々決勝の大阪産大附高戦に続いて3試合連続ゴールとなった。

 前半のうちに先制点を奪って優勢を確かなものとした履正社に対し、苦しくなったのは防戦一方の大阪商大堺。やや前線に比重をかけて攻撃を組み立てるも、履正社ディフェンスを前に有効な攻撃を繰り出せない。なおも攻める履正社は前半40分、右サイドに流れた古田が起点をつくり、DF森田夢生(2年)がゴール前にハイクロスを送り込むと、フリーになっていた小田村がヘディングシュート。だが、今度は大川のファインセーブに阻まれ、追加点とはならなかった。

 1-0のまま迎えた後半は大阪商大堺がキックオフから攻め込み、反撃に向けて勢いを強める。だが、履正社も落ち着いた守備対応と冷静なパス回しで主導権を譲らず、立ち上がりの攻防を消化。後半8分には大阪商大堺の山中が意表を突いたロングシュートを狙ったが、履正社GKジョンカミィ信バーが危なげないキャッチでしのいだ。

 さらに後半14分、大阪商大堺は山中の右CKで人数をかけて攻め込むも、ここでも立ちはだかったのはジョンカミィ信バー。密集で押される中でも完璧にボールをキャッチし、ピンチの芽を摘んだ。履正社は同19分、加藤のロングスローで攻め込み、こぼれ球からMF森川楓大(3年)が左足で狙うも大川がファインセーブ。追加点はなかなか奪えない。

 最後の攻勢を狙う大阪商大堺は後半29分、長身のスーパーサブFW田村優詠(3年)を最前線に投入。すると同30分、田村を起点とした攻撃からMF谷岡仁(3年)が強烈なミドルシュートを狙うも、これはクロスバーに阻まれる。一方の履正社は同32分、同じく長身のDF平井佑亮を入れ、田村にフタをする。同33分には左サイドを突破した名願のクロスに途中出場MF梶並笑顔(3年)が飛び込んだが、ヘディングシュートは大川の正面に飛んだ。

 その後も粘り強い守備対応を見せる大阪商大堺は名願、古田ら相手攻撃陣をしっかりと押さえ込み、カウンター攻撃を狙う。だが、履正社も終了間際、カウンターから古田が右サイドを抜け出すと、最初のシュートは大川に阻まれたが、詰めていた西坂のシュートが古田に当たってゴールイン。エースの一撃でリードを2点に広げた。

 そのまま試合はタイムアップ。“下剋上”で勝ち上がってきた大阪商大堺に苦戦を強いられながらも、勝ち切った履正社が2年ぶりの全国舞台に王手をかけた。

(取材・文 竹内達也)
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