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国見を支えてきた2人のリーダー、CB上田陽南太と右SB村田一翔。尊重し合う2人が全国でも勝利へ導く

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国見高を引っ張ってきた2人のリーダー、CB上田陽南太(3年=住吉大社SC出身、左)と右SB村田一翔(3年=油山カメリアFC U-15出身)

 国見高(長崎)には2人のリーダーがいる。右SB村田一翔(3年=油山カメリアFC U-15出身)とCB上田陽南太(3年=住吉大社SC出身)だ。部員数が122人まで増えていることから、今年、チームは主将2人体勢を導入。2人で助け合いながら、チーム力を高め、選手権優勝6回の名門を12年ぶりの選手権へ導いた。

 当初は村田がゲーム主将を務め、一時上田に変更する時期もあった。明確に役割を分担するために現在はゲーム主将を村田が、チーム全体を統括する役割を上田が担っている。お互いがサポートしながら、選手権に向かってきた。

 大所帯をまとめる難しさもあった。上田は「(122人、)一人ひとりの意見が違うので、全員の意見を聞きながらで難しかったんですけれども、キャプテン2人、副キャプテンも5人いるので、その中で、みんなでどうやって行くか話し合いながらやってきました。難しいところも自分たちを成長させてくれたのかなと思います」と振り返る。

 チームをまとめて一つの方向へ向かわせる中、自分たちも人間的に成長。また、兄も国見の主将を務めていた村田は、「(兄の分も選手権に出ることが)目標としていた部分なので、達成できて嬉しいんですけれども、もう一段階超えたいと思っているので全国でも勝ちたいなと思います」と選手権出場だけでは満足していない。

 村田は上田について、「サッカーに対して盛り上げる。陽南太はチームの仕事とか、そっちの系が良く見えているんで、そういう部分に関しては助かります」と説明し、上田は「自分はチームのこととかやることをいつも心がけていて、そのでも一翔は一緒に気を遣って周りを見てくれたりするので、サッカーのところでも声を出して盛り上げてくれるし、サッカーもそれ以外の部分でも助かっています」と相棒の存在に感謝する。

 国見は地元から注目される高校。ピッチ外の部分にも気を遣いながら、チーム一丸となって目標達成に向かってきたからこそ勝ち取った選手権切符だった。上田は「チーム全体で県内3冠という目標を立てていた。全員が3冠に向けてやるぞとなっていて、新人戦は取れたんですけれども、高総体で負けてしまって、選手権は取るしか無いという状況で全員がまとまって一致団結して取り組んできたからこそ、12年という壁を破れたのかなと思います」と説明する。
 予選突破後はやや緩みも見られたという。「優勝した瞬間はやる気があって、次の週はちょっと。それでも、全国に向けて、となった時にみんなが上を目指している感じで、とても良い感じで練習に取り組めているので、もっと質を高めてもっと良いチームにしていきたい」と村田は語っていた。

 チームの主軸でもある2人。村田は「自分は攻撃も好きだし、守備も自信があって、1対1は絶対にやらせないような守備をして、攻撃ではアシストを量産するという目標を掲げてやっている。全国でもアシストで貢献できたら良いと思っている」と語り、上田も「個人としてはボクの一番の強みは粘り強い守備だったりするので、身長はCBとしては高くなくて、低いんですけれどもアグレッシブに。例えるならば、プジョル選手のようにしっかり後ろの要となれるような選手になっていきたい」と意気込む。

 選手権へ向けて日々チーム内の要求が高まる状況。その中で2人は引き締めながら初戦を目指してきた。伝統校の2人の主将が12年ぶりの選手権でもチームを支え、勝たせる力になる。 

●【特設】高校選手権2022

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