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県決勝で劇的V弾、その後全国までの全試合でゴール。立ち位置変えた国見FW利根悠理が選手権でまず1点

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国見高FW利根悠理は前線で存在感を放ち、1ゴール。(写真協力=高校サッカー年鑑)

[12.29 選手権1回戦 北海高 1-1(PK5-6)国見高 ニッパ球]
 
 結果で立ち位置を変えた183cmストライカーが、まず1ゴールだ。国見高(長崎)の1トップを務めたFW利根悠理(3年)は前半37分、右サイドを突破したMF幸偉風(3年)のラストパスを左足ダイレクトで合わせて先制点。「あれはサイドを幸君が良いトラップして最後押し込むだけだった。チーム全体のゴールだった」と仲間たちに感謝した。

 先制点に加え、前線での奮闘が光った。数的不利でもボールをキープして起点に。「自分が決めるんだ」という強い意志を持つ背番号9は、左サイド角度のほとんど無い位置から枠へシュートを飛ばすなど、怖さのある動きを見せていた。ただし、自ら打開して決められなかったことから自己評価は低め。決めて勝ったことを喜んだが、満足感は無かった。

 利根は1年時の九州高校新人大会準決勝で劇的な決勝点、同決勝で豪快なミドル弾を決めて優勝に貢献しているストライカーだ。だが、高校進学後に身長が7cm伸びて身体のバランスを保てなかったことや怪我もあり、その後はなかなか活躍することができなかった。今回の長崎県予選では全て途中出場。だが、決勝の後半終了間際に劇的な決勝点を決めたFWは、その自信を好調に繋げている。

「(予選後に練習試合を)今まで7試合くらいしていて、その7試合連続で点を取れている。この大会も入れたら8試合くらい取れている」という。結果でアピールしたFWは全国初戦で先発出場。そして全国初ゴールを叩き出した。

 その利根の変化を木藤健太監督も認める。「選手権予選ゴールしたあとくらいから、自信を持つようになってきまして、コンタクトを受けてもバランスを取れたりとか、あまりボールを失わなかったり、攻撃の起点になっていたので、今日は相手にとって嫌な選手だったと思います」。スケール感大きなFWは、チームの期待に応えるプレーを見せている。

 ただし、まだ全国での戦いはスタートしたばかり。「今日、チームが苦しい状況になったと思うんですけれども、2回戦がそういう状況にならないとは限らないので、そういう状況になっても自分の得点で勝たせられるように。1日空くのでその1日で、全員で話し合って個人としても2回戦へ向けて最善の取り組みができるようにしたい」と力を込めた。

 かつて、元日本代表FW大久保嘉人氏ら強力ストライカーが国見に白星をもたらしてきた。利根は「この大会中にもっと成長して、自分のゴールで勝たせたいと思います。(チームを勝たせる存在に) 自分がなるしかないと思う。自分が決めて次の試合、勝たせようと思います」と誓った。結果で先発の座を掴んだFWが、対外試合の連続ゴールをまだまだ続ける。
 
(取材・文 吉田太郎)
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