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MF松橋啓太は4強進出貢献も満足感無し。目標だったMFと「2人で日本一のボランチになる」

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東山高の実力派ボランチMF松橋啓太。(写真協力=高校サッカー年鑑)

[1.4 全国高校選手権準々決勝 東山高 0-0(PK4-3)日体大柏高 駒場]

 苦しみながらも昨年超えのベスト4進出。MF松橋啓太(3年)はPK戦で味方が失敗した直後の4人目に決めて悪い流れを断ち切るなど、東山高(京都)の勝利に貢献した。だが、本人に満足感は無し。「ボランチの2人が鍵になる」と言われて臨んだ試合で納得の行くパフォーマンスができなかったからだ。

「自分としては全然プレーは良くなかったです。(その理由として)相手のボランチ2人が本当に上手くてボール持たれる回数というのは多かったですし、自分の特長であるロングフィードは全然なかったので、それは次の試合で改善するところかなと思います」と次戦への改善点を口にしていた。

 U-17日本高校選抜のMF真田蓮司(3年)と178cmの長身ボランチ・松橋の2人は今大会屈指のダブルボランチだ。彼らの後方でプレーするCB新谷陸斗主将(3年)は「きょうの試合は自分たち(DFライン)が引いてしまったので。その分、きょうは(2人が)一番走っていたと思うので、そこは申し訳ないというか、よく走ってくれたという印象です」と感謝する。

 ともに高い技術力、守備能力を兼備。より守備的にプレーする松橋はインターハイ後に「蓮司が攻撃の部分を引っ張っている分、ボクは守備的なところで、100パーセントでボールを奪い切る力は身に付けたい」と語っていた。インターハイは最終ラインの一角としてプレー。その後ボランチへ戻った松橋は、チームのクオリティを上げると同時に安定して力を発揮してきた。
 
 時に「蓮司を目標にしていましたし、今も蓮司のプレーというのは本当に上手いなと思います」という真田以上に目立つ試合もあるほど。飛距離十分のロングスローもチームの貴重な武器になっている。

 今大会は真田が2得点と結果を残しているのに対し、松橋は「僕は何一つ結果を残せていないので、悔しい気持ちもあります」と首を振る。ただし、目標はまず目の前の試合で勝つこと、そして日本一になることだ。

「(真田に)負けたくはないというところがあるんですけれども、まずは『2人で日本一のボランチになる』というところで2人で喋っているので、そこは本当にその目標に向けて突き進んでいきたいです」。中学時代にPK戦で失敗して引退した経験を持つ松橋は、この日のPKを決めて「自分なりにも成長したのかなと思います」と実感。準決勝の対戦相手は前回準優勝の強敵・大津高(熊本)だが、成長した姿を示して目標にまた一つ前進する。

(取材・文 吉田太郎)
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